2007年12月 4日 (火)

まるで赤い鳥 …もしかしてノブドウの葉?

山の小道を歩くと、いろいろなものに出会う。
それも、一歩歩くほどに、である。
すいすい歩けばいくらでもない距離だが、そんなもったいないことはとてもできない小道なのである。

Nobudouha02 あれ、これは…‥?
足下で見慣れぬ葉を見つけた。

きれいに紅葉しているだけでなく、形がおもしろい。
なんだか赤い鳥が飛んでいるようにも見えるではないか。

はて、なんだろう???

まじめに毎日ブログ更新しているころは、すいすい出てきた植物の名前が、近頃とんと出てこない。

「ほら、これ、あれ…?、なんだっけ?ほれ…」
と、代名詞のオンパレードになってしまう。

赤い葉と言えば即モミジを思い出すが、もちろん違う。この赤い鳥に会う一歩前にはイチゴの仲間に会ったので、もしやイチゴ?とも思ったのだったが、家に戻りPCのビューワーで見ているときに、不意に思った。

もしや、これはノブドウの葉かも!?

ノブドウ・・・(野葡萄) ブドウ科 ノブドウ属 Ampelopsis brevipedunculata var. heterophylla

Nobudouha01 その実は2005年10月28日 ノブドウ (野葡萄) や昨日のエントリである ノブドウの実 で見ての通り、(実は虫の仕業なのだが)その色合いのおもしろさでは群を抜いている。
しかしノブドウの‘くせ者さ’は、その「葉」にこそある。
未熟者のnancyなど、何度惑わされたことかわからないのだ。

ノブドウの葉は非常に変異が大きく、葉が展開する時期に寒さに当たったりしただけでも切れ込み具合が変わったりするらしいから、「図鑑通りじゃないノブドウ」なんていくらでもいるわけで、「教科書通りじゃない行き方も人生さ!」的なnancyとしては、非常に興味を惹かれる存在なのである。

もう一つ似た植物として「エビヅル」があるのだが、この小道でエビヅルの実を見たことは一度もないので、次回ここを通ったときには葉裏のクモ毛の有無を確かめてみることにして、それまではファジーに「ノブドウ」ということにしておきたい。

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2007年12月 1日 (土)

ノブドウの実

久しぶり、ほ~んと、久しぶりの投稿である。

なんだか急に忙しくなって、仕方なくBlogPetのれぃれぃに留守を任せたのだが、2007年5月13日 (日)を最後にパタリと投稿しなくなり、ハーボットのむぃむぃにはずいぶんとひもじい思いをさせた…。
すまない…むぃむぃ。
…なんて、ずいぶんとバーチャルな話である。

このブログを始めたときには小学生だった娘も、今や高校受験生。
目標をずばり音楽に定めた昨年来、何かと忙しいことこの上ない。
nancyと一緒に山歩きをすることもめっきり少なくなった。
…が、そこはそれ、超不良な母が「こんなに良い天気!山で食べるごはんは、おいしいぞぉ~~」と誘えば暗記本片手に付いてくるあたり、まだまだ可愛い娘なのである。

…というわけで、今日は久しぶりの山行きとなった。
もっとも、この山には10月始めにも来ていたし、写真も撮っていた。…が、なかなかこのブログに書き込む気が起きなかった。
つまり、それほど「ここ」は自分にとって特別な場所なのだと思うのである。

ノブドウの実さて、写真はご存じノブドウの実。
よくぞここまで美しいブルーに染まるものである。

ノブドウ・・・(野葡萄) ブドウ科 ノブドウ属 Ampelopsis brevipedunculata var. heterophylla 花期:7~8月
過去のエントリ2005年10月28日 ノブドウ (野葡萄)

この小道では、風が吹くたび、赤や黄色に染まった木の葉が、乾いた音を立てて降り注いでいた。
幾重にも重なった落ち葉たちは、ふかふかのじゅうたんになる。
あまり陽の射さない裏道だから、常に足下には湿った空気が漂い、じきに枯れ葉たちを栄養たっぷりの堆肥に変えてくれるだろう。

ノブドウの実アップ ノブドウの実は、主を失った枝先に、たった二つ取り残されていた。
その不思議な美しさに、つい持ち帰りたい衝動に駆られる。
しかし、あっという間にこの青は色あせる。
いくら美しくても、ノブドウの実は飾り物にはならないのである。

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2007年1月14日 (日)

葉を残しているフウ

「暖かい…」なんて書いたあと、身も凍るような日が続いている。
それでもこの冬が暖冬傾向なのは変わりないらしい。
「3月のようなお正月」のあとに喰らった爆弾低気圧、その後はドカ雪や冷え込み…。なんともすさまじいアップダウンである。
これは4年ぶりに発生したエルニーニョ現象などが影響しており、もちろん日本だけでなく地球規模での異常気象ということだが、それにしても極端な陽気である。

フウの樹下で

さて、2007年1月 7日エントリー 暖かなお正月 …フウの樹の下で で、葉をすっかり落としたフウの話をしたが、今日は、この時期でもまだまだ葉を残しているフウの話をしたい。

この、「葉の残っているフウ」についてだが、特に暖冬だからというわけではなくて、同じ山に暮らすフウが、なぜか個体によって葉を落とす時期が違うという、ただそれだけの話である。

フウの樹フウ・・・(楓) マンサク科 フウ属 Liquidambar formosana 中国中南部~台湾原産の落葉高木

フウは、どこか風を感じさせてくれる樹である。
読んで字のごとしなのかフウは「楓」と書くが、この字は「カエデ」とも読む。
カエデはカエデ科、フウはマンサク科。まったく違う植物なのに、なぜ同じ「楓」の字を書くか。

実はこれはカエデの方が誤りらしく、本来「楓」と書くべきなのは本種のフウの方なのである。
確かにATOKでカエデを変換してみると、「楓」の他に「槭樹」という字が出てくる。本来はこちらが「カエデ」らしいのだが、見慣れないし、どうも馴染まない。

わかってはいても「楓」と書かれると、ついつい「カエデ」と読んでしまうのは、一夕一朝に起きた間違いではないからである。
「誤り」も、永きに渡れば「真」となってしまう一例だろうか。

当のフウも、たいていはカエデと間違えられてしまうし、この混乱は永遠に続くのだろうか。
フウの一ファンとしては、これからも機会あるごとに訴え続けなくては…と思ってしまうほどだ。(笑)

フウの落ち葉フウの葉。
カエデと違い、はっきりとした鋸歯が見られるが、落ちたばかりの葉はこんなに鮮やかな色をしている。
目をつむれば、そこには秋の風が駆け抜けて行くようである。

フウは落葉樹であり、こうして美しく紅葉するのだから、どのみち葉を落とすのだが、時に葉を落とす気などさらさらなさそうなフウにも出会う。

フウの樹これは、「ふう」と書かれた木の札を掛けられて、広場を見渡す位置に立ち、常に遊ぶ子らを見守っている樹だ。

この樹こそが、nancyにフウという名を教えてくれた特別な存在なのだが、どうだろう、雪を背景にしながらも、足下に葉の一枚もない。
それどころか、ことこの樹に関しては、葉の無い頃を見た記憶がないのである。

見ての通りのまっすぐな樹形もフウの特徴だ。
すっくとまっすぐに伸びゆく。
今度会いに行くまでには、この樹も葉を落としているのだろうか…

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2007年1月 7日 (日)

暖かなお正月 …フウの樹の下で

去る12月にnancyを苦しめた、「横になると痛みだす神経痛」は、右奥歯の神経と共にほぼ消え去った。
しかし三叉神経痛はその後もしつこく居座って、なぜか夕方過ぎると右こめかみ辺りを雷のような痛みが直撃していた。

この状態に変化が生じたのが、毎年恒例の「お正月の山行き」でのことだった。
当然の如く、山は下界よりは寒い。
そのせいだろうか、時刻は昼過ぎなのに、歩き出してしばらくすると右こめかみの辺りが鋭くちくちくしてきた。
それでも山の木々たちに気を取られて歩いていたら、いつの間にかその痛みは引っ込んで、以来、「夕方発の右こめかみ片頭痛」は姿を消した。
これも山の力というものだろうか。

枯れ葉の上のミルクさて、今年のお正月ほど暖かな山もなかったように思う。
年末の(爆弾低気圧通過後の)ドカ雪も、その後の暖かさですっかり融けたか、日陰の道路に少し残るのみ。
森の中には雪のかけらもなかった。

まるで秋のような枯れ葉のじゅうたんにご満悦のミルク。
彼女はカサカサした枯れ葉の道が大好きなので、実に機嫌が良い。
あれ、この赤みを帯びた葉っぱは…

フウの樹見上げればそこに大きなフウの樹が…。
フウは大好きな樹の一つだ。
よく行く山の麓(自然公園内)には30年ほど前に植栽されたフウが何本もあって、それぞれに個性があり、季節がめぐる度に会いに行くのを楽しみにしているのだ。

フウ・・・(楓) マンサク科 フウ属 Liquidambar formosana 中国中南部~台湾原産の落葉高木

フウの葉アヒルの水かきのようなフウの葉。
「あれ、トウカエデでは?」と思われる?

フウとトウカエデは実によく似ているが、こうして葉だけの状態であっても、鋸歯(葉のギザギザ)のあるか無しかで違いがわかる。
鋸歯がはっきりとしていればフウと思っていいだろう。
ちなみに、枝の付きで言えば、「フウは互生、トウカエデは対生」なので、右上の写真でも、枝が互生なのがよくわかる。

このフウと別れてから、2時間ほど森の中をのんびりと歩き、山の空気が身体中に充ち満ちた。
これでようやく半病人状態から脱せたように思う。

さて、この個体は全ての葉を落としているが、まだまだたくさんの葉を残している樹もある。
似たような場所に立っていて日照もさほど変わらないように思うのに、個体ごとの差があるのはなぜか。
ここがフウのおもしろいところだと思うのだが、次は葉を残したフウをご紹介しようと思う。

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2006年11月 2日 (木)

イモムシはまだ… ~テンニンソウのつぼみ

テンニンソウのつぼみを見て以来、自然と足繁く会いに行くようになった。
娘の通うSSには、大人用のスポーツクラブも併設されているのだが、泳ぐついでに…ではなく、テンニンソウに会いに行くついでに泳いでいた、と言ったところである。

テンニンソウ・・・(天人草) テンニンソウ属 シソ科 Leucosceptrum japonicum 花期:10月

テンニンソウのつぼみ さて、イモムシその後…
重なったが少しずつ開いてきた。
しかし、いまだイモムシ状である。

とは、つぼみや芽を包む構造物のことで、花開くまでつぼみを大切に守り育てる器官である。

の中にはなにやらつぶつぶした丸い物体が覗いている。
この粒一つ一つが、テンニンソウのつぼみである。

前回は、イモムシ状の物体そのものを、「テンニンソウのつぼみ」と書いたが、正しくはテンニンソウの花穂全体がイモムシに見えたのだった。

テンニンソウのつぼみ他の“イモムシ"も見てみると…
こちらは、まだ幼苗といった感じの株のつぼみで、苞の数も少なければ、つぶつぶしたつぼみの数も少なく、スカスカした印象。
苞を見てみると、先は小さくとがっており、開くにつれて次第に反っくり返ってきているのがわかった。

もうすぐだよ…、もうすぐだよ…
つぼみたちのそんなひそひそ声が聞こえたような気がした。

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2006年10月12日 (木)

キンモクセイの香りに包まれて…

山は、覚えのある香りにすっぽりと包まれていた。

あれ…?いい香りがする…
ああ、もうそんな時期になるのか…

キンモクセイつい忙しく過ごしてしまい、心を振り返ることも出来ないとき…
キンモクセイからの便りが届く。

キンモクセイ・・・(金木犀) モクセイ科 モクセイ属 Osmanthus fragrans var. aurantiacus 常緑小高木 花期:10月 中国原産

今回は、あのアケボノシュスランの待つ高みへは登らず、麓の辺りで遊ぶことにしたのだが、時折ふわっと鼻腔をくすぐるキンモクセイの香りに心誘われた。

キンモクセイの花…いったいどこに植わってるのかな…

風の向きによって、香ったり、やんだりを繰り返す。
香りは物質なのだと、つくづく思う。

程なく、「キンモクセイみっけ!」と、香りの主を発見したのだが、
一つ一つの花はそれほど強い香りを発しているとは思えない。
まさに集団のなせる業である。

キンモクセイの花 と、娘が花を掌に乗せて叫んだ。
「ママ!この花、雄しべしか無いよ。」

そう。キンモクセイ雌雄異株
そして、このキンモクセイは雄株なのだ。
もちろん、雄株とはいえ雌しべも無くはないのだが、未成熟で目立たない。

雄株があるなら雌株はどこ?
と思うのだが、日本に存在するキンモクセイは全部雄株で、雌株は存在しないらしいのである。
キンモクセイの故郷である中国南部では、雌株の花を見ることもできるのだが、江戸時代に日本にもたらされたとき、花付きの良い雄株しか持ち込まれなかったらしい。
どうやって増えたかと言えば、キンモクセイは挿し木で容易に増やせるからだからだが、つまりは日本に咲くほとんどのキンモクセイは同じ遺伝子を持つクローンなのだろうか。
だから、毎年この時期に、ぴたりと合わせて一斉に咲くのだろうか。

キンモクセイの属するモクセイ科には、ヒイラギ、ネズミモチ、オリーブなど、実のなる木がずらりと並んでおり、ヒイラギとモクセイとは「ヒイラギモクセイ」という“子”まで成している。(もっとも、接ぎ木によるものだが…)
日本のキンモクセイ、もし実を付けることが出来たならこれだけの花の数である。さぞかし見事なのかも知れない。

キンモクセイの大木さて、冒頭、どこで咲いているのやら、キンモクセイ…と思っていたら、灯台もと暗しだったのがこの写真。
うわ~!でっかい!
キンモクセイは、近所の生け垣で咲いているイメージが強いのだが、一般には樹高は4~6mとも言われている。
それどころか、剪定しないでぐんぐん伸びると10mほどにもなるという、立派な常緑小高木なのである。

このキンモクセイたちの後ろには急な階段があり、ひ~ひ~言って階段を上っていたnancyたちは、一番香る花の鼻っ先に居たわけだ。
しかし森の樹木たちに遮られて、肝心の花はまったく見えてなかった。よって、香りすれども姿無し…だったわけである。

キンモクセイの花期は短い。
一斉に咲いた花はやがて一斉に散りゆきて、道を黄金色に覆う。
その道を歩むとき、来たる冬の寒さを想うのである。

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2006年8月31日 (木)

センニンソウ (仙人草) その2

娘の夏休みが終わった。
後悔先に立たずだが、なんだかぱっとしない夏だったような気がする。
あまりに暑すぎる日は息をするだけでも火傷をしそうで、さすがに「いざ山へ…」という気も失せたし、その暑さが峠を越した途端、今度は秋の気配が忍び寄ってきてしまった。

心に残っているのは、娘と2人でちんまりとやった花火。
納戸から古い花火が出てきたので試しにやってみたのだが、おまけのように付いていたたった3本の線香花火に、今更ながら心惹かれた。
ちりちりとわずかに音を立てながらも、あっという間に落ちてしまう小さな火の玉。
あまりにせつなくて「国産の線香花火」を買ってきたのだが、それ以来“花火日より”な夜はやってこない。
せめて今一度、風がない蒸し暑い夜に花火を楽しみたいと願うのである。

センニンソウの花 さて、センニンソウの花。
きっぱりとした十字を描くその花は、遠目にも鮮やかである。

花弁に見えるのは、実は萼片で、センニンソウには花弁はない。
図鑑などでは、この萼片を「倒披針形で縁に白い毛が多い。」とされているが、ここで質問。
はて、倒披針形ってなに?

とうひしんけい 【倒披針形】
披針形を逆さにした形。
        三省堂提供「大辞林 第二版」より

なるほど…。
では、披針形とは?

ひしん-けい 【披針形】
先のとがった、平たく細長い形。笹の葉のような形。植物の葉の形についていう。
        三省堂提供「大辞林 第二版」より

つまり倒披針形とは、笹の葉が逆さになったような形という意味なのである。
…ということで、センニンソウは、そんな形の萼片が十字に開いた直径2~3センチの花が、上向きに咲く…のである。

センニンソウのつぼみ

…と、ここでつぼみの様子を見てみよう。
クリーム色の4枚の萼片が、大事そうに包み込んでいるのが多数の雄しべと数個の雌しべ。
ふっくらとふくらんで、右のつぼみなど今にも開きそうな様子である。
また、その下に見えるのは花後の姿だろうか、花開いては結実し、また次の花が開く。
このようにして、センニンソウはその長い花期に渡って咲き続けるのだ。

センニンソウの花中ほどに10本ほどの雌しべ、そのまわりをたくさんの雄しべが取り囲んだセンニンソウの花。

白とクリーム色のデリケートな陰影を織りなして、 何とも言えない表情である。
平たい楕円形の葯を持ったのが雄しべで、雌しべの花柱は細長い。

センニンソウの葉

センニンソウの葉は対生で、一見単葉のようにも見えるが、実は3~7個の小葉からなる羽状複葉である。
小葉はやや光沢があって厚みがあり、きれいな卵形か卵円形。先端はわずかに突出する。

センニンソウはつる性だが巻きひげは持たず、茎で絡んでいくというわけでもない。
右の写真、小葉柄が妙に曲がって長いのに気が付くが、この小葉柄と葉柄を使って、他の木や草などに絡みついていくのである。

花が終わると花柱は3センチほどにも伸びて、白くて長い毛が生える。
その様子が仙人のひげのようだということからセンニンソウと名が付いたと言うが、残念ながら昨秋は仙人に会えずじまいだった。

というのも、一昨年の猛暑の影響で、昨夏スズメバチが大繁殖したためである。
nancy家でも数カ所に巣を作られたし、刺されなかっただけでも幸いだった。
センニンソウの実が熟する10月頃はスズメバチが活発に活動する時期で、いつもの山でもアナウンスがあったため、大事を取って森には近づかなかったのである。

今年こそは白ひげをたくわえた仙人と遭遇できるかどうか… 乞うご期待なのである。

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2006年8月27日 (日)

センニンソウ (仙人草) その1

センニンソウ こんもりと繁った緑の中に、白い花がたくさん!

クサギの樹から少し奥へ入ったところで、立派なセンニンソウの樹と出会った。
そう、センニンソウは草の字は付くが草本ではなく、木本。こう見えても「樹」なのである。

センニンソウ・・・(仙人草) キンポウゲ科 センニンソウ属 Clematis terniflora 日当たりの良い道ばたや林縁などに生えるつる性半低木 分布:日本全土 花期:7~9月

センニンソウ図鑑ではセンニンソウの花期は8~9月とされているが、今年初めて花を確認したのが7月14日のことだったので、花期は7~9月とした。
先週見に行ったらまだまだ咲いていたので、センニンソウの花期はずいぶん長いと思う。

センニンソウの白い花は心を強く捉えて離さない。大好きな花の一つだ。
そんなセンニンソウは山だけの花ではなく、近所の土手でも咲いている。
近所のセンニンソウ左の写真が「近所のセンニンソウ」なのだが、 このセンニンソウ、毎年人目に付かないところでひっそりと咲き終える。
近い場所でじっくりと見たいのに、なかなか手の届くところでは咲いてくれないのである。

センニンソウの葉や茎は毒を持つから、手が届かないのは良いことだが、nancyの愛機FZ5では、離れた花を撮るのはちょっと難しい。
その繊細な表情を絡め撮ることができないのである。
もう一つ。手前に見える枝(棒?)については、どうかご容赦願いたい。

センニンソウ なので、山の麓でこちら(右の写真)の個体を目にしたときは、思わずほ~っとため息に近い声が漏れた。
だって、こんなに間近で、こんなに「美しい状態」のセンニンソウを見つめることができるのである。

「美しい状態」って?
近所の土手のセンニンソウは、遠目で見ても葉の傷みがひどいのだ。
虫や病気によるものなのだが、「近所の土手」は、かつての森が開墾されて田畑となり、今はわずかな片鱗だけが残っているだけの場所である。
それにひきかえ、山の森は全てのバランスが正常に保たれているから、自然の自浄作用が働くのだと思う。

昨年もセンニンソウでは2度のエントリーをしたが、今年のセンニンソウはなんだか花が多いような気がするのである。
2005.08.17 (水) センニンソウ (仙人草)
2005.09.02 (金)  山のセンニンソウ

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2006年8月20日 (日)

クサギの花

クサギ 目立つ花が少なくなり森の緑が一段深くなる夏のさなか、クサギの花は離れた場所からでも目を惹く。

この山にはクサギの木が多い。
中でもこの場所には立派なクサギの樹が数本あり、nancyお気に入りのポイントとなっている。

クサギ・・・(臭木) クマツヅラ科 クサギ属 Clerodendron trichotomum 北・本・四・九・沖縄に分布する落葉低木 花期8~10月

クサギはとても個性的な樹だ。
どこがどう個性的って、それはもう、葉も花も実も、全部が個性的。
その個性的さゆえに、エントリーも三回目となる。
2005.08.10 クサギ …湿地周辺の植物
2005.10.04  クサギの実

クサギ一番最初にクサギに会った(確認した)のは、国指定湿地の見学会でのことだった。
自然観察指導員から、「嗅いでみなさい」と手渡された一枚の葉。
それなのに、nancyは嗅がずにそのまま娘に手渡し、娘は「くさ~い」と一言のたまった。

この一件以来、娘に対してちょっと後ろめたい気持ちを抱えていたのだが、最近になって娘が、「実は嗅がなかったの。」と白状するに至って、う~ん、果たしてどんな匂いだったのかと、若干気になる今日この頃である。
しかし、その後至るところでクサギを見掛けるが、その葉の臭いを嗅ぐ勇気は一向に沸いてこない。(笑)

クサギの花 ということで、今回のヒロインはクサギの花である。

クサギの花序は集散状だ。
これを集散花序と呼ぶが、枝先や上部の葉腋から花序を出して白い合弁花を咲かせるのである。

この写真はまだ咲き始めの花で、見ればつぼみがたくさんある。
満開になったらさぞかし見事だろうな…といつも思うのだが、クサギの花はどうやら一斉に満開になることはないらしいのである。
クサギの花期は8月から10月くらいと長く、実を付ける頃になっても花を見ることができる。
じっくりとリレーのように咲き続けて確実に子孫を残そうというのだろう。

クサギの花しべの長いその花は、たった一つでもこんなに美しいのだから、一斉に咲き誇ったらアジサイを凌駕するほどにもなろうが、「今日はクサギのお花見に…」なんてことにはなりそうもない。
そこは短期決戦型ではないクサギの勝手、人間の花見のネタになる気など毛頭ないらしい。

クサギの花 そんなクサギの花、開く直前のつぼみの様子がこちら。
あ~ら、まん丸の可愛いつぼみが薄赤紫色の萼片から飛び出して、まさに開かんばかりの一瞬である。
そう、上の写真でつぼみのように見えていたのは、実は萼片だったのだ。
クサギの萼片が、柔らかな緑色から紅が差してほんのりと染まるころ、大切に守り育ててきたつぼみがこうして顔を出すのである。

Kusagi06up そうして開いたクサギの花。
白い花弁に“筒部分”の赤紫色がよく映えて、長い雄しべと雌しべをぐっと突き出し、百合のような芳香を漂わせては虫を誘う。

よく見るとこの雌しべと雄しべ、面白いことに行動が揃っていないようなのだ。
咲き始めてしばらくの間、雄しべが上を向いている雄性期には、雌しべはそれを避けるように下を向いている。(この時期はたとえ花粉が付いても受粉することはない)

クサギの花 雄しべの先の葯から花粉を放出し終えると、今度は雌性期に入り、雌しべがやおら起き上がると、交代するように雄しべはたれ~んと下を向くようなのである。

これは先日エントリーしたアキノタムラソウと同じく、同花受粉を防ぐためのシステムだが、同じ花の雌しべと雄しべが、お互い「いやよ」と避け合っているように見えて、なんとなくおかしかった。

臭い臭いと言われるクサギ
実際には、葉や幹を傷つけなければまったく臭いはしない。
反対に花の芳香はすばらしく、それはそれはうっとりと…と言いたいところなのだが、残念ながらゆっくり香りを楽しむことはできなかった。

なぜなら、花の少ない時期に咲くクサギの花にはたくさんの虫たちが群がっている。
ジャコウアゲハやモンキアゲハたちが優雅に舞いながら蜜を吸う姿にお目に掛かるのはうれしいが、いきなり怖そうな蜂がやってきて、ぶ~ん!と牽制されたりもするから、安易に鼻を近づけるのはあまりに危険すぎる。
ぼやぼやしているとお次はヤブ蚊の餌食になる…と言った具合で、なかなかのんびり見つめていられない、クサギの花なのだった。

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2006年8月13日 (日)

オオチドメのじゅうたん

オオチドメここは山の麓。
何気なく歩いていて踏み込んでしまった場所。
足の裏にやんわりとした抵抗を感じて、はっと足元を見た。

そこはうっかり踏み込んでしまった緑の海だった。
まるで浮き草のようだけど、水の上ではない。

オオチドメ 注意してそっと後ろに下がると、全容が少しだけ見えてきた。
まわりに見える大きな葉はクズ(葛)。
それと比べてずいぶんと小さな葉っぱたち。
これはオオチドメの大群落なのである。

ここは道からも外れ、およそ人に踏まれることのない場所である。
さながらオオチドメの楽園とでも言おうか。そこへいきなり人間が踏み込んできたのだから、オオチドメたち、さぞかし驚いたに違いない。

オオチドメ・・・(大血止) セリ科 チドメグサ属 Hydrocotyle ramiflora Maxim 山野にごく普通に生える多年草 別名:ヤマチドメ 分布:北、本、四、九  花期:6~10月

オオチドメの葉 オオチドメは山野のいたるところで見ることのできる草だ。
葉の縁が少し上がっているので、お皿のように雨上がりの水がたまっていた。

オオチドメノチドメと非常に似ていて、葉だけを見ると、違いがわかりにくい。
強いて言えば、ノチドメと比べて葉の切れ込みがほとんど無いことくらいか…。

オオチドメだから葉っぱが大きいかというと、そんなことはない。
オオチドメの葉が直径1.5~3cm、ノチドメの葉2~3cmと、標準の数値はそんなに変わらないのだ。
もっとも、山ではやけに大きなオオチドメの葉を見掛けることがあるから、大きな葉が出現する割合はオオチドメの方が高いのかも知れない。

オオチドメ しかし、花期なら誰でも迷うことなく見わけることができる。
上の写真でも見ることができるが、オオチドメの花は花柄が長く、葉の上に顔を出している。
片やノチドメの花の花柄は短く、咲いても葉の下に隠れてしまう。
というわけで、ぴょんぴょんと顔を出す花の存在から、これはオオチドメだと一瞬でわかったわけである。

オオチドメの花 そんなオオチドメの花。
葉腋から花柄を伸ばし、先端に淡緑白色の小さな花を10数個付ける。
花序は散形花序と呼ばれ、鞠のような球形となる。

その姿は、さながら「小さな世界」のくす玉のよう。
いや、お人形さんのかんざしと言った方がいいかもしれない。

そのかんざしの先に咲いた花は、あまりにも小さい。
直径約2mmあるかなしかと言ったところだろうか。

オオチドメの花色も淡緑白色と、本当に目立たない花だが、よく見ると5弁の花弁を持った端正な形の花なのがわかる。
花弁の先は内曲しないので、ピンと張ったきれいな星形だ。

花は球形の花序の外側から咲いていく。
この花はもうだいぶ内側なので、外側には既に結実した果実が見える。
果実の大きさは約1.5mm。やや扁平な球形で、写真ではわかりにくいが、2個の分果が一つにくっついたものだ。

山の麓で見つけた、おそらく誰にも踏まれることのないオオチドメのじゅうたん。
その感触には、ふかふかとした優しい弾力があった。

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