2007年2月26日 (月)

つくし、ツクシ、これこれ土筆

ただ今確定申告準備で会計ソフトと連日格闘中…
おまけに先週には(運営している)学童保育所の監査があった。
この時期こそは、さすがのぐ~たらnancyでも勤勉になる期間なのである。

というわけで、1月に見たスズカカンアオイの話はいつ終わるかわからないのでちょっとお休みして、先週(正確には2007.2.24)びっくりした光景を。

今年一番に見たつくし うわ~、つくしんぼだぁ!早いなぁ!
生憎デジカメを持っていなかったので、携帯カメラでぱちり。

ここは、ツクシたちには最適な、南に面した田んぼ沿いであるが、次の道の角まで、ずっとこんな具合にツクシが生えていた。

しかし、いくらなんでも早い。
昨年ツクシについて書いたのは、もちろん3月下旬から4月のことである。

ツクシ・・・(土筆) スギナの胞子茎
スギナ・・・(杉菜) トクサ科 トクサ属 Equisetum arvense  英名:Field Horsetail

早ければ2月頃には地中から頭を出し始めるツクシだが、通常伸びるのはまだまだ先のこと。
ただし、暖かさに会って伸び始めると、そのスピードは超速い。
先週中頃までのぽかぽか陽気に誘われて、一気に伸びたツクシたちであったが、この写真を撮ったその日から、いきなり冬の寒さに逆戻りしたものだから、さぞかし凍えたに違いない。
誰だよぉ!『もう伸びてもいいぞ』って言ったのは…
そんなボヤキが聞こえてきそうであった。

【昨年のツクシたち】
2006年3月25日 (土) にょきにょき… ツクシ(土筆) 
2006年4月11日 (火) ツクシの大群! 
2006年4月13日 (木) ツクシ…ツクシ… またまたツクシ 
2006年4月15日 (土) ツクシ…ツクシ…つくづくツクシ… 

これを見ただけでもわかるように、昨年はツクシの大豊作であった。
スギナは栄養茎として光合成を行い豊富に栄養を作りだし、秋には翌春頭を出すツクシが地中にできあがる。
というわけで、昨年のツクシ大漁の陰には、前年度のスギナ大発生があったのかもしれない。

春の使者としてみんなに愛されるツクシと反対に、刈っても焼いても根絶できないスギナは、大の嫌われ者である。
しかし、明と暗、光と陰のようなこの2者はコンビなのだ。
どちらかが欠けても成立しない関係。

考えたら、ものごとなんでもそうだなぁ~ …今更なことであったが、ひとり合点がいってしまった。

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2006年9月10日 (日)

タマガヤツリ (玉蚊帳吊)

9月に入ってから、なかなか落ち着いた日々を送れなかった。
娘も同様で、月初めのピアノコンクールに始まり、昨日は中学の体育祭、来週には実力テスト、月末には中間テスト。
カレンダーを見ただけでも、9月はあっという間に走り去りそうである。

さて、梅雨よりひどいくらいの蒸し暑さ、「ちょっとだけでいいから山に行きたい!」と、半ば衝動的に支度をして、「いざ!」と思ったら、いきなりバタバタ…と大きな音を立てて雨が降ってきた。
それだけならまだしも、次はどどど~~ん!と雷の落ちる音。
もうがっくりである。
しばらくして雨のやむのを待って、せめて散歩へと繰り出した。
雨の後には風が吹き、若干涼しくなった。今夜には秋が戻ってくるかも知れない。
東の空には時折稲妻が見えるが、頭上の空は明るかった。

Road0609 この道の先に見えるのは、ママコノシリヌグイの咲く、短いが斜度のきつい坂道だ。
その坂を自転車でびゅ~んと勢いよく降りて、だらだらだら…と自然に止まった辺りに休耕田がある。
農家の方には恐縮だが、そこはもう、歓声を上げるほどの野草の天国なのだ。

タマガヤツリ そこで見つけたのがタマガヤツリだった。

タマガヤツリ・・・(玉蚊帳吊) カヤツリグサ科 カヤツリグサ属 Cyperus difformis 田の畦や溝などにごくふつうに生える草丈15~40cmの多年草 花期:8~10月 分布:日本全土

タマガヤツリ 最初見たとき、「あらま、大きな「ヒメクグ」ねぇ~」と思った。
※「ヒメクグ」とは、タマガヤツリと同じカヤツリグサ科に属する、ひっそりとした小さくてかわいらしい多年草である。

どちらも球形の花穂を付けるのでよく似ているが、ヒメクグはヒメと付くだけあって全体的に小さく、花穂はたいてい1個しか付けない。(時に2~3個付けるときもある)
それに対し、タマガヤツリは写真を見ての通り、なかなかにぎやかそうである。
…と、ここまで書くと、是非ともヒメクグの写真を比較に貼りたいところなのだが、どういうわけだか手持ちになかなか見つからない。
ということで、ヒメクグについては後日エントリーしてから、リンクを張るようにしたい。(苦笑)

タマガヤツリの花 タマガヤツリの花穂の様子だが、まず茎の先に葉と同形のが2~3個あり、その間から1~6個の枝が出る。
(文章だとちょっとわかりにくいが、苞とは、上の写真で見ると、花穂を中心に長く伸びて見える葉状のものである。)
その花序の「枝」の先に、ボール状の花穂がつくのだが、この枝の有無もタマガヤツリを見分けるポイントとなる。

タマガヤツリの花 花穂のアップ。
なんだか魚卵のようにも見える。
ちょうどモニターで大アップしているところに娘がやってきて、「気持ちわる~~い」と逃げていった。(笑)
…と、いつも通り話が飛びつつ、花穂に戻るが…

タマガヤツリの花穂は、小穂が多数集まって球状を成しているのがわかる。
小穂は長さ0.3~1cmの扁平な線形で、更に一つ一つの小穂には10~20個の小花が2列に並んでついている。

タマガヤツリの花 その小花には花弁は無く、倒卵形で黒褐色の鱗片があり、柱頭(雌しべの先端。受粉を行う場所)は3個ある。
鱗片…つぼみを包み保護する鱗状のもの
ちらちらと見える白いものはではないかと思うのだが、FZ5ではこれ以上の拡大は難しいようだった。

…と、今回はミクロへ、ミクロへ、と追ってみたが、タマガヤツリは、そのままもっとミクロな世界に飛び込んでみたくなるような花であった。

さて、カヤツリグサ科と言えば、茎が中実(中が空洞でない)で、3稜形。多くは茎の断面が3角形で、それを2人で縦に割くとなぜか4角形になる。子どもの頃に遊んだ人も多いはず。
遠い日に遊んだ手持ち花火を見るような、ちょっと懐かしさを感じる草たちなのである。

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2006年4月30日 (日)

ムラサキケマン(紫華鬘) その3

ムラサキケマンのそう果 さて、様々な工夫を凝らしたムラサキケマンであるが、無事に結実すると、花弁を落として細長いそう果を下向きに実らせる。
やがて中の種子が黒く熟すころ、皮が巻き上がって勢いよく種子を弾き飛ばすのである。

ところで、娘の通う中学校の端っこに咲くこのムラサキケマンが湿地の森からやってきたのは、おそらく間違いないところだろう。
しかし、この中学校の敷地は斜面に盛り土をして造成されたらしく、国指定湿地とは相当な高低差があるばかりでなく、そこはまっすぐにすとんと落ちた絶壁なのだ。
はじけ飛んだ種が上から下へ飛ぶというのならわかるが、いくらなんでも低い湿地から高い中学校へ種を飛ばすのは不可能だ。
また、それなら周辺地域にまんべんなくムラサキケマンが咲いてもおかしくないだろう。

ムラサキケマンのそう果 これを解く鍵は、キケマン属の種が持つ秘密にある。
コスミレでも書いたが、キケマン属の種子もまた、アリの大好物であるエライオソーム(種枕)という物質が付着しており、アリによって種子をより遠くへ、より違う環境へと運んで貰うことを狙っているのである。

おそらくこのムラサキケマンも、アリによって運ばれてここに根を下ろしたのではあるまいか?
もちろんアリが進める距離には限度があるから、決して一気にではなく、コンクリートのひび割れを辿り、幾代も掛けてこの地までやってきたのではないだろうか。
あくまで推測に過ぎないが、さぞかし苦労してたどり着いたのではないだろうか。

一つの種が一つの場所で繁栄するということは、単に数を増やすだけなら好都合だが、まかり間違ってその場所が何かの災害に見舞われてしまったとき、あっけなく絶滅してしまう危険をはらんでいる。
そのため、ムラサキケマンやコスミレはアリの力まで借りてまで、異なる環境へと己が遺伝子を送り込むのだ。

その先にはどんな苦労が待っているのかわからない。
“かわいい子には旅をさせよ”ではないが、そうまでしてでも守らなければならない使命とは、すなわち「種の保存」に他ならないのである。

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2006年4月29日 (土)

ムラサキケマン(紫華鬘) その2

ムラサキケマン 今日も、引き続きムラサキケマンの話。

ムラサキケマンが教えてくれた(中学校のフェンス向こうの)国指定湿地へは何度か足を運び、いくつものすばらしい出会いを経験した。

あれから一年経ってまた春が来た。
いつしかこの花のことはすっかり忘れてしまっていたが、娘に手渡された中学校からのプリントを見て、グラウンドの片隅に咲いていた紅紫色の花を思い出したのである。
…とまぁ、何をしに学校に行くやら…という感じだが、何事にも出会いのチャンスがあるというものである。

ムラサキケマン・・・(紫華鬘) ケシ科 キケマン属 Corydalis incisa やや湿った場所に生える2年草 分布:日本全土

キケマン属は地下根茎を作るものとそうでないものに分類されるが、ムラサキケマンは根茎を作らないため、2年草(越年草)となる。
つまり前年に芽吹いた苗が冬を越し、翌年の春に花を咲かせることになる。

ムラサキケマンの花その特徴的な花は、正面から見れば左右相称だが、横から見るとやけに長い。
スミレたちと同じように花の後ろに突き出た“”を持っており、を持つ花はたくさんあるが、キケマン属の距の長さは半端じゃない。

とは、「萼や花弁の基部にある袋状の突起」のことで、中には蜜腺がある。
つまり、訪問者が花を覗くと、長い長い廊下の奥においしい蜜が隠してあるというわけで、虫はその蜜が欲しいとなると、「ごそごそ」と花の奥へ進入せざるを得ない。
ムラサキケマンの花花粉はくっつきやすいようにねばねばしているものだから、その「ごそごそ」の結果、虫は花粉をたっぷり付けられて、何のことはない、まんまと受粉の手伝いをさせられるというわけである。

その花を横から見ると、上下の花弁がひらひらとしていて魚のように見えてくるが、見方によってはエイリアンに見えなくもない。…な~んて言ったら、ムラサキケマンに怒られそうだが…。

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2006年4月28日 (金)

ムラサキケマン(紫華鬘) その1

ムラサキケマン ムラサキケマン
この花との再会を、一年間じっと待っていた。

ムラサキケマン・・・(紫華鬘) ケシ科 キケマン属 Corydalis incisa やや湿った場所に生える2年草 分布:日本全土 

ムラサキケマンは、昨年エントリーしたジロボウエンゴサクと同じキケマン属の植物で、山野に分布するジロボウエンゴサクよりは、ずっと身近に見ることができるはずなのだが、昨春に一度見たっきり、ついぞその姿を見ることはなかった。

昨年ムラサキケマンが咲いていた場所とは、娘の通う中学校だ。
PTA総会のあるこの日は、学年ごとに授業参観だの、修学旅行の説明会だのイベントが行われ、言うなれば年に一度の全保護者一斉招集日である。
この日はグラウンドが駐車場として開放されるのだが、あいにく昨年は渋滞に捲き込まれて遅刻してしまい、グラウンドの一番端っこに駐めざるを得なかった。
しかし、それがこの偶然の出会いを生んだ。
あと1~2mでフェンスというぎりぎりの場所に、見慣れない紅紫色の花が咲いていたのである。それが、ムラサキケマンだった。

ムラサキケマン 見つけたときは、「なぜこんな場所に?」という感じがしたが、後にフェンスの向こうには国指定の湿地が存在しているということを知り、なるほど!と合点がいった。
フェンス越しに広がる森は、まるで時間が止まったような静かな風景だった。賑やかな中学校との対比が、なんだか不思議な気がしたのを覚えている。

中学校でのムラサキケマンは、別段保護されているというわけでもなく、見慣れたヘビイチゴやヤエムグラなどにまみれながらも、すっと花茎を高く伸ばして特徴的な紅紫色の花を咲かせていた。
写真に納めたいと思ったが、いくら何でも中学に入って初の授業参観である。さすがにカメラは持っていなかった。

ムラサキケマン 実はこの時、たくさんのそう果が実っているのを確認して、こっそり花を手折った。
後で知ったが、ムラサキケマンは傷つけるとやや嫌な匂いがするという。しかしこの時はまったく匂いには気が付かなかった。

家に戻って花びんに挿し、図鑑で種名を確認してから、後日改めて写真を撮りに行こうと思ったが、それは果たされなかった。
なぜなら、野草の写真を撮りに中学校へ行きたいと言う母に、恥ずかしがり屋の娘は「うん」と言ってくれなかったのである。

まぁいい。きっとどこかで撮れるだろう… 気楽にそう思っていたのだが、結局ムラサキケマンを見つけることは叶わなかった。

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2006年4月15日 (土)

ツクシ…ツクシ…つくづくツクシ… 

思いも寄らぬ花冷えとなった。
冷たい雨が一日中降りしきり、時に風まで加わって追い打ちを掛ける。
結局今年の桜は楽しむ暇もなく、水たまりに浮かぶ花びらを、寂しく目で追うのみであった。

ツクシたち さて今宵もツクシのお話を…。
ツクシはスギナの胞子茎、言わば花のような存在であるが、この写真のツクシたちを見比べて欲しい。

一番背の高く見えるツクシと、その右隣に寄り添うツクシ
背の高いツクシは頭が黒っぽくて光を通さない。
これはまだ頭に胞子がたくさん詰まっている状態である。

右に見えるのは、胞子を放出した後のツクシ
こうなると、胞子が散らないので摘むのにも打って付けという感じがするが、このすかすかになったツクシ、何気なく近寄り、思わずはっとさせられた。
明るい陽の光を浴びたその姿には、格別の美しさがあったのだ。
胞子が抜けた空洞を、光の天使たちが通って見せるのである。

ツクシ それはまるで和紙で出来た提灯のよう。
野の花の間から顔を出し、ほんのりと暖かな光を放つ提灯は、いったい何を照らすのだろうか…

これで今年のツクシも見納めである。
相当量の胞子を振りまいて、永遠(とわ)の眠りに付いたツクシたち、いったいどんな夢を見たのだろうか…

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2006年4月13日 (木)

ツクシ…ツクシ… またまたツクシ

え?またツクシ~?!
そんな声が聞こえそうだが、この春は滅多にないくらいのツクシの当たり年。
食べるだけでなく、心に残る出会いもいくつかあったのである。

スギナ・・・(杉菜) トクサ科 トクサ属 Equisetum arvense  英名:Field Horsetail

ツクシの兄弟まずは、題して『ツクシの兄弟』
このツクシたち、スギナもちゃんと従えてるあたり、「私、これこれこういうものでございます。」と身分を明らかにしているようなもので、実に礼儀正しい在り方であろう。

ここは犬の散歩道から一歩入った畦で、ワンコの落とし物という被害もないため、彼らは安心して食べられるツクシたちなのである。
というわけで、早速とばかりに娘に摘み取られていくツクシたち。…と、そのうち、「あ!」という声が。

ツクシとスギナスギナも一緒に抜けちゃった~。」
これではまるで理科の標本写真である。

ツクシはスギナの子ではないのが一目瞭然。
ツクシスギナは、このようにして地中で繋がっている。
ツクシは胞子茎、スギナは栄養茎。
今年のスギナが作る栄養分が来年のツクシを育て、今年のツクシの放出した胞子から、来年のスギナが生まれる。
親子と言うより、兄弟のような持ちつ持たれつの関係か…。
まだまだ太古の頃、おそらく恐竜がこの地球を歩いていた頃よりもっと昔から、彼らの仲間はこうして地球を生き抜いてきたのである。

ツクシツクシ…、まだまだツクシ
花冷えの中、ツクシたちの写真を見ていると、あの穏やかな日だまりが思い出された。

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2006年4月11日 (火)

ツクシの大群!

ようやく忙しさが一段落したら、今度はなんだかPCの具合が悪くなって、なかなかブログを書くまで至らなかった。

メモリが足りなくなってしまい、ランチャーやスタートアップなど、いろいろとPC内の整理整頓をして、ようやく…である。
もちろん、物理メモリの増設が一番なのは言わずもがなだ。
ぼちぼち、めんどくさがり屋の重い腰を上げねばならないだろう。

ツクシの大群さてさて、気が付けば春も中盤戦である。
そこで、序盤に心に残ったものを思い返してみると、それはなんといってもツクシ!だった。

ツクシ・・・(土筆) スギナの胞子茎
スギナ・・・(杉菜) トクサ科 トクサ属 Equisetum arvense  英名:Field Horsetail

ツクシ2006.3.25. にょきにょき… ツクシ(土筆)でエントリーしたばかりだが、だって、見てみて、この写真。
これはもう、にょきにょき…なんてものではない。ものすごい群落、ツクシの大群である。

ツクシの大群 こんな群落が近所で何カ所もあった。
とても一度には取りきれないツクシたちを前に、娘は歓声を上げツクシ摘みに精を出した。
例年ならば春に一度味わう程度のツクシ料理だが、今年は卵とじに天ぷら、きんぴらと、多いに楽しませて貰ったのは言うまでもない。

食べるのに適したツクシは、既に胞子を放出した後なので、そこはもうサバサバしたものだ。煮て喰おうが焼いて喰おうが、後は野となれ山となれなのであろう。(笑)

ツクシの卵とじ 早速ツクシの卵とじを作った。
洗ったツクシは、頭と“はかま”を取る。これも娘の仕事。
“はかま”は普通の植物であれば葉の部分で、これがあると苦いらしい。
茎だけになったツクシは苦みも少なく、しゃきしゃきとした歯触りを思い切り楽しむことができるのである。
ちなみに緑色に見えているのは、ノビル。これも娘が見つけて摘んだものだ。

それにしても、今年のツクシはすくすくと伸びやかで、かなりな背高のっぽも多く、食材とするには最高であった。
昨年のスギナたちが栄養を作ってくれてこその、今年のツクシたちなのだが、これではスギナもたくさん増えて、農家の方は大変だろうな…とは思うが、まずは素直に喜んで、ふわふわの卵とじに舌鼓を打った。

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2006年4月 2日 (日)

たくましき春の妖精 …コスミレ

昨日とは打って変わって、今日は朝から冷たい雨。
なかなか冬支度から離れられないが、周囲の植物を見ればやっぱり春なのだ。
そうかと思えば昨年の4月末には、もう寝苦しいほどの蒸し暑い夜が訪れていた。
ここ最近の極端な温度変化は、いったい何を意味するのだろうか。

コスミレさて、身近な春からコスミレの話。この春二度目の登場である。
昨年、道路とブロック塀のわずかな隙間に咲いているコスミレを見て不思議に感じたこと。
良さそうな土がすぐ近くにたくさんあるのに、なぜわざわざこんな所に芽吹くのか?
とは言え、周囲には仲間のコスミレが見当たらないのはなぜか?

コスミレ・・・スミレ科 スミレ属 Viola japonica 人家近くや山野に生える。

コスミレの種は(パンジーやビオラなどと同じように)、果実が熟すると3裂した果皮から、種が勢いよくはじけ飛んでいく。
これを自力散布と呼ぶが、その飛距離、なんと2~5mくらいにも及ぶらしい。しかしそれならば、四方には仲間のコスミレがたくさん咲くことになる。
もちろん、そうした群落となって咲くものも多いのだろうが、中にはこの写真のように、ぽつんとひとり存在しているコスミレを見かけることがあるのだ。
ざっと見渡してみてもコスミレの影など見ないのに、おまけにちゃんとした土に芽生えればいいのに、なぜアスファルトの割れ目や石垣の隙間から顔を出すのだろうか?

その訳は、コスミレの種に秘密がある。
コスミレの種には、エライオソーム(Elaiosome 別名:種枕)という、アリの大好物なゼリー状の物質が付着しているのだ。
スミレは、この「おいしいご褒美」を使って、種をアリに運んで貰うのである。

エライオソームは、アリにとっては文字通り垂涎もので、各種脂肪酸、アミノ酸、ショ糖などで構成されており、アリはたまらずエライオソームの付いたスミレの種ごと巣に持ち帰る。
果たして地中深い巣に運ばれたスミレの種は、アリに食べられてしまいましたとさ。…では話にならない。ご安心あれ、アリはスミレの種は食べないのだ。
しかし、食べられないまでも地中深く持ち運ばれてしまったら、地上での芽吹きは不可能なこととなる。そこがポイントで、これもコスミレの作戦のうちなのだ。

アリがエライオソームを食べ終わった後、残ったコスミレの種はアリにとっては不要なゴミとなるのだが、そこはさすがの働き者。役に立たないゴミは、さっさと巣の外に運び出されるのである。

アリはアスファルトの裂け目や石垣の間などにもよく巣を作る。雨で土が崩れることもないし水はけ良好、アリの住宅としては意外に良い物件なのだろう。
アリが住みやすいなら、コスミレにとっても同じである。
コスミレの好きな「水はけの良さ」はばっちり、おまけに巣のまわりには他のゴミも捨てられているから、コスミレが育つのに必要な水分や栄養分も豊富という、まさに好条件が揃っているというわけなのだ。

というわけで、自力散布ではもう一つ届かない場所までアリに運んで貰うこの方法を、アリ散布と呼び、コスミレやスミレ、タチツボスミレたち、シソ科のホトケノザヒメオドリコソウ、カタバミ科のカタバミ、ケシ科のムラサキケマン、ジロボウエンゴサクなど、約200種の植物がこうした仕組みを持っている。

誰に教えて貰ったわけでもないのに、絶妙な方法でたくましく子孫を残していく春の妖精コスミレ。しかし、用意周到な彼らの作戦は、この一つだけではないのだ。
その続きは、またの機会に…

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2006年3月25日 (土)

にょきにょき… ツクシ(土筆)

日中はぽかっぽかに暖かく、3日連続して春らしい日となった。
明日もそうなら、ようやく三寒四温の「四温」というわけである。

…というのに、とうとう我が家最後の風邪引きさんとなってしまった。
気温の上昇に反して、体調はみるみる下降線を辿る。
一日中ティッシュが手放せない有様で、いまいち花を愛でる気分にもならないのが悲しい。
それに、昼日向は暖かくても、夜になればぐっと冷え込んでくるのがこの時期だ。
皆様、くれぐれもお気を付け召されたし。

ツクシさて、春に「にょきにょき…」と言って、忘れてはならないのがツクシである。
少々斜め気味の写真になってしまったが、中心のツクシくん、右にフキノトウ、左にフキの葉を従えて、堂々の土俵入りといったところである。

ツクシ・・・(土筆) スギナの胞子茎
スギナ・・・(杉菜) トクサ科 トクサ属 Equisetum arvense  英名:Field Horsetail

ツクシスギナの子…ではなく、スギナの胞子茎だ。
胞子茎?これってなんぞや?と問えば、スギナは胞子で増えるシダ植物なので、胞子茎であるツクシとは、普通の植物で言う「花」のような存在である。
ツクシ胞子茎に対して、スギナ栄養茎と呼ばれ、光合成によって栄養を作る役目を持っている。
この春顔を出したツクシ達は、昨年スギナたちが一生懸命に栄養を作ったお陰なのである。

ツクシの芽生え

ところでこの写真、ツクシの赤ちゃんが地面から顔を出した頃のものだが、なんとこの場所、枯れ草を燃やし尽くされた後なのである。
スギナの根茎は、地中を縦横無尽に張り巡らされており、地下茎自体が核シェルターの如き働きをするらしい。
そのため、少々除草剤を撒かれようが、はたまた地上部を紅蓮(ぐれん)の炎で燃やされようが、スギナが根絶やしになるということはそうそう無いのである。

ここのツクシたちはそろってみんな頭が焦げていた。
それでもへっちゃらに顔を出してくるツクシたち。
なんともたくましき生命力である。

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