2006年2月26日 (日)

ミチタネツケバナ (路種浸花)その2

ミチタネツケバナの花 ミチタネツケバナ、その2である。
引き続き、在来種であるタネツケバナと、外来種のミチタネツケバナとの違いについて考えてみたい。

さて、花の違いはどんなものだろうか?
花びらの数はアブラナ科の特徴としてお決まりの4枚だが、雄しべの数が違う。タネツケバナ6本、ミチタネツケバナは4本である。しかし、そうでない場合もあるし、あまりに小さな花ゆえ、なかなか確認しづらいだろう。

ミチタネツケバナ 一番違いの出るのが、長角果と呼ばれるさく果である。
タネツケバナでも書いたが、ミチタネツケバナの長角果は茎に添い、まるで空に向かってばんざ~い!と手を挙げているようだ。
こうして花を咲かせながらどんどん種を結び、上へ上へと伸びていくのである。
さく果:ホウセンカのように縦に裂けて種をまき散らすもの

この長いさく果、まさに長角果という呼び名がぴったりだが、花が受粉すると円柱状の雌しべがぐ~んと伸びていき、やがて熟して2つにはじけて種を勢いよく周囲にまき散らし、かくして飛んだ種から新たなミチタネツケバナが誕生するというわけだ。

タネツケバナは湿地を好むが、ヨーロッパ生まれのミチタネツケバナは、やや乾燥した場所を好む。
両者の住み分けがきちんとなされていれば問題はなさそうだが、実際のところミチタネツケバナは住む場所を選ばないので、今やいたるところで見ることができる。
それに比べ、種籾(たねもみ)を水に浸ける時期に咲いたからとその名を付けられた「タネツケバナ」は、水田の減少もあって次第に少なくなっているように思う。
これはセイヨウタンポポの勝利と同じで、人為的環境変化に伴い適応能力の高いものが生き残るという、当たり前の構図なのであるが、外来植物ばかりが悪いのではなく、全ては人間が招いた変化であることを忘れてはならない。

おそらくは雑草として抜かれることの多い草たちである。
せめては何気なく手に取ろうとしたとき、ふと何かを思って下されば幸いである。

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2006年2月25日 (土)

ミチタネツケバナ (路種浸花)

やっとこ会計ソフトから離れることができそうである。(正確には、まだだが…)
ま、家業の会計もなんとかなりそうだし、学童の監査も無事に終わったし、やれやれ…である。
これでようやく春を迎えることができるというものだ。

この一週間ほど、遠出こそ出来なかったが、天気の良い日は近所を歩いて春を探していた。
あちこちで見掛けた柔らかな新芽の色には、心からほっとさせられたものだ。

ミチタネツケバナさて、タネツケバナの話を書いたばかりなので、“そっくりさん”であるミチタネツケバナは無いかな~?と思っていたら、探すまもなかった。
さすがは乾燥に強い外来種である。北風の当たらない道路と石垣の隙間からちゃっかりと顔を出し、既に花も実もある姿だった。

ミチタネツケバナ・・・アブラナ科 タネツケバナ属 Cardamine hirsuta ヨーロッパ原産の越年草(2年草)

ミチタネツケバナタネツケバナは本当によく似ているが、見比べてみるといくつかの違いが見えてくる。

ミチタネツケバナの小葉まずは、ロゼット葉(根生葉)だ。
ぱっと見てふっくらとした丸みの感じられるタネツケバナに比べ、ミチタネツケバナの葉はぺったんと平たい感じ。
ミチタネツケバナの小葉はタネツケバナに比べるとほとんど切れ込みがないから、タネツケバナの葉が小さなミトンなら、ミチタネツケバナはアヒルの水かきといった感じ。

また、タネツケバナの茎や葉はうっすらと毛に覆われているが、ミチタネツケバナの茎は無毛。葉にも、縁部分などにわずかな毛が見える程度だ。

このロゼット葉だが、ミチタネツケバナはあまり茎からは葉が出ず、こうして花が咲いてからもずっと根元に残っている。
タネツケバナは、花が咲くうちにだんだんとロゼット葉は見られなくなっていくので、その頃になると、シルエットにはだいぶ違いが出てくるのだろう。

…というところで、ちょっぴり長くなってしまった。
続きはまた明日…ということにしよう。

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2006年1月22日 (日)

センナリホオズキ?それとも、ヒロハフウリンホオズキ?

センナリホオズキ? わりとよく歩く道である。
そして、通るたびに道ばたの草を見つめて歩いてきた。
それなのに、あれ?なんだか見慣れないものがあるじゃない!

近寄ってみたら、おびただしい数の実の数!
いくつあるのかもわからないほどである。
実が多いのもなるほどで、その名も、センナリホオズキである…と思ったのだが…、ちょっとまてよ…;

もしセンナリホオズキであるならば、
センナリホオズキ・・・(千成酸漿) ナス科 ホオズキ属 Physalis angulata 熱帯アメリカ原産の一年草

となるのだが、もしかすると、ヒロハフウリンホオズキという帰化植物の可能性も出てきたのである。

センナリホオズキ? 両者とも実は小さいが、ホオズキと同じように袋状になった萼で果実をすっぽりと包む。しかし、熟しても実は緑色であって、ホオズキのように赤くはならない。

いったい、これは何の実なのか?
花や若い実を見ればなんとかなりそうなのだが、ここまで枯れ朽ちてしまうと、初めてお目に掛かるnancyではらちがあかない。
しかし、これだけたくさんの実がなれば、きっとここで次代が育つはずである。

ここはひとまず鞘を納めて、彼らの子孫が育つのをじっくりと待ってから、改めてご報告したいと思う。

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2006年1月17日 (火)

オオイヌノフグリ (大犬の陰嚢)

オオイヌノフグリ 昨日今日と、季節はずれの暖かさに包まれた。

誘われてオオイヌノフグリも咲き出した。
とは言っても、この写真は先週撮ったもの。
まだまだ寒い風の中、ここでも春の花がたった一つ、しかし元気に咲いていたのである。

オオイヌノフグリ・・・(大犬の陰嚢) ゴマノハグサ科 クワガタソウ属 Veronica persica 花期:3~5月 ユーラシア・アフリカ原産の2年草 明治時代に帰化し、全国でごく普通に見られる。

オオイヌノフグリの名についてはあまりに有名で、今更触れるのも躊躇われるほどなのだが、念のために書けば「ふぐり」=「陰嚢・睾丸」という意味である。
そう果(実)が必ず2つ1セットになっていて、見た目がなんとなく犬の睾丸っぽいというだけだが、こうした「2個セット」のそう果を付ける草は他にもあるのに、なんでまた…?
…とまぁ、ちょっとけったいな、かわいそうなネーミングであるが、「ふぐり」という古式ゆかしき言葉になっているので、なんとか許せているのである。

実はオオイヌノフグリという名前は、古くから日本に生きていた「イヌノフグリ」という在来種に由来する。イヌノフグリよりも大きいから、オオイヌノフグリというわけだ。
イヌノフグリは花の大きさ約3mm。オオイヌノフグリの花は約8mm。)

ところが、そのイヌノフグリは、後からやってきたオオイヌノフグリに、繁殖力の差からどんどん住み処を追われてしまい、現在では山間部にひっそりと、もしくは愛好家の間で栽培されるのみの絶滅危惧種となってしまった。
ちなみにnancyもいまだ見たことがない。なんともせつない話である。

オオイヌノフグリの花オオイヌノフグリの話に戻るが、陽を浴びてるり色に光るその花は、小さいながら美しい。
ちょっぴり専門用語の世界に入ると、花弁は、合弁花なので基部は一つに合着している。または、4裂した一枚の花冠とも言うことができる。
上部の裂片だけが少し濃い色になっていて、他よりも大きいのが見て取れる。
濃同系色のラインが入り、美的センスもなかなかである。

オオイヌノフグリは白飛びしやすい花で、今まで何回か撮影したが、今ひとつきれいに撮れなかった。
というのも、オオイヌノフグリは太陽が大好きで、陽を浴びているときだけに開く性質があるためで、いっぱいに日を受けたご機嫌な花は尚々白く光ってしまい、なかなかその繊細な美しさを写し込むことが難しかったのである。

今回も、露出をいじって数枚撮ったが、どうやら自分の身体を使って日陰を作るのが一番だったようだ。
思いもよらず日陰にされたオオイヌノフグリは、ぶつぶつと不満を並べていたかも知れない。

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2006年1月 9日 (月)

アメリカフウロのロゼット!

アメリカフウロの冬の葉 2005年12月20日 に、「アメリカフウロのロゼット?」でエントリーしたこの葉っぱだが、ようやく「?」の取れる日が来た…と思う。

アメリカフウロ・・・(亜米利加風露) フウロソウ科 フウロソウ属 Geranium carolinianum 花期5~9月 北アメリカ原産で昭和初期に渡来した帰化植物。花の写真はこちら

昨日の「メマツヨイグサのロゼット」の記事内で、「アメリカフウロは、厳密にはロゼットとは言わないのかも…」と書いたのだが、自分としても疑問が生じてきたので、早速畦へと出てみた。

ロゼットと言うからには、本来は薔薇の花の如く、中心から円座状に広がるのが理想…いや、決して見た目だけではなく、寒い風から身を守り、エネルギーを蓄えるのに理想的な姿と思うのに、アメリカフウロの葉っぱは、それぞれが(薔薇ならぬ)バラバラと単独で生えているように感じる。
これでは、なかなかロゼットとして紹介できるものはないのかな…と思ったら、

アメリカフウロのロゼット あった、あった!
これぞ、アメリカフウロのロゼットである!
間違いなく、中心から放射線状に葉が伸びていて円座状になっている。まさに、教科書通りのロゼットの在り方ではないか。もう、「ノチドメみたい」なんて言わせない。(笑)

1時間半ばかりあちこちのあぜ道を歩いてみたが、アメリカフウロの葉はたくさんあれど、ここまではっきりとロゼット状態が確認できる株は見当たらなかったから、むしろこの株が珍しいのかもしれない。
それとも、手元の図鑑によると「1年草」とあるアメリカフウロだが、確かに1年以内で完結するのなら1年草と言えるが、秋に芽吹いて冬越しするなら「越年草(2年草)」であり、もしかしたら「多年草」として生きている可能性もあるのかもしれない。

そう考えてみると、色とりどりの葉があっちこっちを向いて暴れ気味なのは、秋に芽吹いた赤ちゃんアメリカフウロの葉。しっかりと地面に根付いたロゼットは、親株のまま冬越しする姿ということなのだろうか?
結局、疑問が尽きない結果となったが、要するに、アメリカフウロは思った以上におもしろい花なのである。

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2006年1月 8日 (日)

メマツヨイグサのロゼット

メマツヨイグサのロゼット 厳寒時には、それなりの楽しみがある。
その一つが、ロゼットを見ることだ。

ロゼットとは多年草の冬越しする姿で、茎はごく短く、根のすぐ上から葉が四方に重なり合って出て、地面にへばりついたようになったものを言う。
ロゼット=薔薇の花のように丸く重なり合った状態とするならば、先日書いたアメリカフウロは、厳密にはロゼットとは言わないのかも知れない。
※アメリカフウロのロゼットについては、確認しました。2005.01.09追記

これは、メマツヨイグサのロゼット。
花期にはやわらかなレモンイエローの花を夕刻に咲かせてくれる、マツヨイグサ(待宵草)の仲間である。
放射線状に葉がすっと伸びた、非常に整ったロゼットを見せてくれる草としても有名だ。

メマツヨイグサ・・・(雌待宵草) アカバナ科 マツヨイグサ属 Oenothera biennis 花期:6~9月 北アメリカ原産で明治中期に渡来

マツヨイグサ属では、2005.04.30にコマツヨイグサについて書いたが、この辺りでは梅雨から夏に掛けてメマツヨイグサの花もずいぶん見かけたから、秋に芽吹いた苗が今こうしてロゼットとなって、冬を過ごしているのだろう。

ロゼットの中心部

それにしても、メマツヨイグサのロゼットは美しい。
重なり合った葉の陰影は、内に秘めた情熱すら感じさせてくれる。
なぜなら、ロゼットは決して休止状態ではない。一見眠っているように見えるロゼットだが、実は非常に効率の良い姿なのだ。
冬の間にしっかりと養分を生産しておいて、春来たるその時には、蓄えておいたエネルギーを存分に使って背をぐんと高く伸ばし、優美に花を咲かせるのである。

ロゼットは、単に「エネルギーを節約して無駄に茎を伸ばさない」とか、「地熱を利用して光合成の効率を高める」とか、「太陽光を全ての葉で受ける為に、葉が重ならないように必然的に放射状に丸くなる」結果なのだとしても、地表に咲く華麗な薔薇の花として、強く心に残るのである。

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2005年12月20日 (火)

アメリカフウロのロゼット?

アメリカフウロのロゼット? 冬のあぜ道で気になっていた草があった。

大きさ2~3cmほどの丸くて切れ込んだ葉が、あちらこちらでびっくりするような赤さに染まっているのである。

最初に見つけたのは今年のお正月頃だったから、以来一年近くも名前がわからずにいた。

はじめは、葉のサイズや深く切れ込む葉などからノチドメではないかと思ったのだが、ノチドメが紅葉するという話にはなかなか出会わないし、葉の質感の決定的な違いもあって、なかなか断定できずにいたのである。

そんなとき、ひょんなことから「アメリカフウロの※ロゼットでは?」という線が浮上し、これが現在一番濃厚そうである。
アメリカフウロであれば、夏を中心としてこのあぜ道でも見かけたことがあるし、赤く紅葉するロゼットとしては有名だ。
※ロゼット・・・多年生草本の、越冬する姿

アメリカフウロの花 花期(今年5月)のアメリカフウロは、こんな感じ。ふ~む…

アメリカフウロ・・・(亜米利加風露) フウロソウ科 フウロソウ属 Geranium carolinianum 花期5~9月

さて、その葉の色味は実にさまざまで、上の写真のようにソフトな色合いのものもあれば、にんじんみたいな色とか、はたまた「どうしちゃったの?!」ってくらいの朱赤に染まる葉もあり、見ていて飽きない。

アメリカフウロの葉 中には、こんなツートンに染まった葉も。
まるで和菓子の様な上品さを感じさせてくれる。

赤く染まった葉を探しながら、一歩一歩あぜ道を歩く。

それにしても、ほんのつかの間の寒の緩みであった。
またまた厳しい寒さがやってくる。

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2005年10月25日 (火)

アレチヌスビトハギ …外国から来た花

アレチヌスビトハギの実あらやだ、ひっつき虫だわ…
…てな具合に、ズボンなんかにぺたぺたとくっついてくる、そうそう、あれ。

衣服にくっついたときは、三角の実が一つ一つばらばらになっているので、本種を知らない頃は、いったいどんな植物なのかと思っていた。
確かに、実際実がなっている姿は見たことが無い方が多いかもしれない。

その名は、アレチヌスビトハギである。

アレチヌスビトハギ・・・(荒れ地盗人萩) マメ科 ヌスビトハギ属 Desmodium paniculatum 花期:7~9月

アレチヌスビトハギの花 今頃は、ちょうど上の写真のような姿になって、「おいでおいで」と通る者を待っているのだが、夏から秋にかけては、萩と呼ばれるにふさわしい、ピンクの丸い花びら(旗弁)を持った蝶形花を付けていた。

この花、夕方には閉じてしまうのだが、色素的に青みを帯びているらしく、閉じると青くなってしまう。
最初に見たときは夕方だったので、いったいこの青い花は何だろうかと思って、ちょっとわくわくしたものだ。

アレチヌスビトハギの花後 ところが、同時に実を付けた株を見つけて、「なぁ~んだ、ひっつき虫かぁ~」と、がっかりしてしまった次第。

落胆したりして、アレチヌスビトハギには少々申し訳なかったが、そのひっつき虫のイメージとはかけ離れた色合いが心に残った。

憎まれ者の帰化植物、アレチヌスビトハギ
そのはかなさをたたえた色に、なんだか意外な一面を見たような気がしたのである。

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2005年10月24日 (月)

ヒメムカシヨモギ (姫昔蓬) …外国から来た花

ヒメムカシヨモギ ギシギシもそうだったが、田畑の畦や道ばたに咲くありふれた花に心惹かれるときがある。

そのほとんどが忌み嫌われて、暇あらば抜かれる運命にあるのだが、その生きる力たるや、そんじょそこらのたくましさを越えたものがあるのだ。

ヒメムカシヨモギ・・・(姫昔蓬) キク科 ムカシヨモギ属 Erigeron canadensis 花期:8~10月 別名:ゴイッシングサ・メイジソウ・テツドウグサ 北アメリカ原産

撮影時には、「ヒメムカシヨモギだ。」と思って撮ったのだが、実は先ほどまで「オオアレチノギク」と迷っていた。
茎の毛がまばらなことや、花の大きさ、円錐状に膨らんだようなシルエットなどから、「やっぱりヒメムカシヨモギ!」と決めた。
(もし違っていたら、どうぞコメントを・・・ちょっと弱気;)

漢字で「姫昔蓬」と書くと、なんとも楚々としたイメージであるが、nancyより背が高くなることもあるこの「姫」とは、いささかギャップありか…。

ただし、この時のヒメムカシヨモギはどこか美しさを秘めていて、いつもながら、やはりどんな花にも一番きれいな時期はあるものだと感じた。

himemukashiyomogi01 ヒメムカシヨモギは、ゴイッシングサ(御維新草)、メイジソウ(明治草)、テツドウバナ(鉄道花)…などの別名を持つ。
これは、彼らが日本にやってきた時期を物語っている。
すなわち明治維新後、鉄道路線が広がるにつれて、全国に広がっていった花なのである。

文明開化の夜明けと共に、日本に地を降ろしたヒメムカシヨモギ
帰化植物ではあるけれど、戦前戦後の日本を見つめてきたその花は、まるで夜空の星たちのように、またたいて見えた。

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2005年10月 7日 (金)

メリケンカルカヤ ~外国から来た花

mericen-karukaya01 最近、いろいろな場所でこの植物に会った。
なんだかな~?・・・と思いつつ、わからずじまいだった。

見るからにイネ科っぽいのだが、その風貌はと言うと、まっすぐ伸びた1mほどの茎が、ひゅんひゅんと地面に突っ立ってるだけである。
いったい何になるのか?と思ってたら、こうして羽毛のような花が咲いたので、つまりは、これがこの植物の成熟した姿かな?というわけである。

そこで、左サイドバーのMOCAさんに、いつものように同定をお願いしたのだが、程なく、メリケンカルカヤという植物だということがわかったのである。

メリケンカルカヤ・・・(米利堅刈萱) イネ科 ヒメアブラススキ連 メリケンカルカヤ属 (ウシクサ属に含める説もあり) Andropogon virginicus 北アメリカ原産 花期:9~11月 草丈0.2~1.5mの多年草

メリケンとは、これまた、かくも懐かしげな響きである。
メリケン=アメリカという意味だが、メリケン波止場、メリケン粉… どこか、古きよき時代のセピアな匂いがする。

カルカヤとは、刈る萱のことで、萱(カヤ)とは、かやぶき屋根のカヤのことだ。実際にメリケンカルカヤで屋根を葺いたかどうかは知らないが、現代では特別に保存されているだけのかやぶき屋根…。というわけで、実生活では、植物の名前に残るのみになっている。

メリケンカルカヤが日本に来たのは、かれこれ60年以上前の話である。
とはいえ、一つの植物が全国的に増えるのには相当な時間が掛かるから、彼らにとって60年の歳月は、そんなに長いことでもなかったのかもしれない。

mericen-karukaya02 その花序には白い毛があって、結実すると風に飛ばされてふわふわと飛んでいくのだろう。
秋の陽を浴びてきらめく白い綿毛が美しかった。

アキノノゲシでも書いたが、MOCAさん曰く、この写真のメリケンカルカヤは、ちょうど咲き始まったところで花の状態が良く、もっとも美しい頃であったらしい。

花の持つ一番美しい時期。
偶然とはいえ、そんな頃に会えた幸せを感じながら、遠くメリケンから来た花のことを思っていた…

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2005年10月 2日 (日)

ホシアサガオ ~外国からきた花

どうも最近ハイパー気味である。

昨日は泳いだ後に山へ行き、1時間半くらい歩いてきた。
そして今日は、午前中「国指定湿地の観察会」に参加して、2時間半ばかり歩き、午後は娘と公営プールに泳ぎに行ってきた。
毎日6~700mほど泳いでいるせいで、泳いだ方が「嫌な疲れ」が取れるのである。

hosiasagao さて、昨日の山での写真もまだまだご紹介できないのに、今日は「湿地行き」で、感激に次ぐ感激、発見に次ぐ発見、まだまだだ消化し切れていないので、とりあえず湿地わきで見かけたお花をご紹介。

写真は、ホシアサガオである。湿地わきとは言っても、栄養のある陸地部分に咲いていた花だ。

ホシアサガオ・・・(星朝顔) ヒルガオ科  サツマイモ属 Ipomoea triloba  花期…7~9月 北アメリカ原産

つる性の植物で、熱帯アメリカ原産の帰化植物だ。
外来種というと、どうしても白い目で見てしまいがちなのだが、こんなに可愛いお花である。
しかし、保護されている湿地内でも、相当広範囲に広がってきていた。茎(つる)が数メートルと長く、一株でも充分カバーできてしまうのである。
そして、そのつるにこれだけ密にお花が咲くので、全部結実したらとんでもない数のホシアサガオの誕生となってしまうわけだ。

花期7~9月という熱帯の花なのに、こんなに元気なのは、やはり地球温暖化のせいだろうか?
蝶を見ても、昔は九州で飛んでいた蝶が今は東海に、東海で多かった蝶が北関東へと、生態系は大きく変わってきている。

自然界では、かれこれ30年ほど前から、温暖化による変化は起きていたという。
「人間は、変化に一番鈍い」そうで、感覚が鈍い上に、さらに拍車を掛けている実態に、ますます末恐ろしくなってしまった。

ホシアサガオたちは、「とっても暑くて気持ちが良いわぁ~」と喜んでいるようだった。

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2005年9月24日 (土)

ニシキアオイ ~外国から来た花

nishikiaoi0002 昨日のママコノシリヌグイの坂をびゅ~ん!と下っていくと、田んぼ道に出る。
そのまま惰性で進みながら、何気なく田んぼ端を見ていて、「あれ?」となった。早速自転車を止めて観察すると…

見慣れないお花である。フウロソウの仲間かな?
しかし、家に帰って図鑑で調べても、どうも見あたらない。
花の大きさは直径2cm以上とそこそこあって、もちろん、なかなかな美しさなのだが…

なんだろうなぁ~…左サイドバーのMOCAさんに訊ねるも、残念ながら専門外の外来種とのことだったが、ありがたいことに常連な方のアドバイスを得て、ニシキアオイという花だと教えて頂いた。

nishikiaoi0001 ニシキアオイ・・・(錦葵)  Anoda hastata Cav.  アオイ科ヤノネアオイ属 原産地 北アメリカ中南部~南アメリカ北部 

MOCAさんの資料によると、

園芸植物として昭和の初めに渡来し、1965年に野生化を確認。畑や路傍に希に見られる

とのこと。

どことなく見覚えのある表情は、日本にも数多いアオイ科の特徴からだろうか…
希(まれ)とはいうが、どの程度希なのか、インターネットで検索してみても、果たして画像はヒットしなかった。
もしかすると、花屋では小粋なカタカナの名前で呼ばれていたりするのかもしれない。

nishikiaoi0000この ニシキアオイは、花後の表情がおもしろい。
写真の丸い車輪のような形状のものが、花の落ちた後である。
左側にある焦げ茶色のは、さらに熟した種子だろうか・・・

さて、未知の外来種に出くわすたびに、なんとなく心穏やかでなくなってしまう。
なぜなら、得てして外来種は強い。特に、ヨーロッパなどで生き抜いてきた植物たちは、繁殖力がずば抜けて強いのだ。あっという間に在来種を駆逐してしまうことも多く、この点がもっとも憂うべきところである。

nishikiaoi0004 このニシキアオイも、種を見る限り、あっという間に増えてしまいそうな懸念もあるが、希と言うことは、それほど繁殖力は強くないのだろうか。

できれば、穏やかに在来種と仲良く共存していくことを、ニシキアオイの花に願うのみである。

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2005年9月13日 (火)

ノゲイトウ (野鶏頭)

nogeitou ノゲイトウの花が好きだ。

9月半ばになると言うのに、いったいどうしたの?!と訊きたいくらいの暑さであるが、それでもノゲイトウの花を見ると、涼しい風がすぐそこまで来ていることを感じるのである。

ノゲイトウ・・・(野鶏頭) ヒユ科 ケイトウ属  Celosia cristata
熱帯原産 本州西部、四国、九州 沖縄

秋の風景の中の一つとして、すっかり溶け込んでいるノゲイトウ。この花にはじめて会ったのは、いつのことだろう。
こちら(東海)に来てはじめて見たような気がする。

最初はどこかのお庭で見かけたので、てっきり園芸種だと思っていた。それほど、白地にピンクが差した色合いが美しい。
なんとなくほわほわとしていて、触れてみたくなる。

nogeitou02その花穂には、小さな花が密に集まっており、 一つ一つの花には、かさかさとした光沢のある5つの花被片が見える。

離れて見れば、まるで高貴な羽飾りのようであるが、実際に手を触れてみると、決して痛くはないが、羽のような軟弱さはなく、この花が日本に帰化し、野生として生き抜いてきた強さを感じることができる。

まだ咲き始めたばかりのノゲイトウの花… その初々しさの向こうに、数日先に出会うはずの澄んだ秋空が浮かんで消えた。

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2005年9月 4日 (日)

ハゼラン

hazeran00 大変愛らしい、ピンクの花だ。
最近よく見かけるのだが、ずっと名前がわからなかった。が、とあるコミュニティで尋ねてハゼランと判明した。葉っぱを撮り損ねてしまったので、その点はご容赦を…。

ハゼラン・・・(爆蘭) スベリヒユ科 ハゼラン属 Talinum crassifolium

「スベリヒユ科」と言えば、真っ先にに思い出すのが松葉ボタンである。最近あまりみかけないか?
または、ポーチュラカ。どちらも夏の花であるが、これらは、好日性の花。つまり太陽が大好きな花である。

ハゼランはと言うと、3時草(サンジソウ)などという別名を持つとおり、午後の3時あたりに咲くらしい。
写真の花は、午後4時ごろに撮影したものだから、運良く一番「ご機嫌よろしゅう~」の頃に出くわしたと見えるが、この花は一日花。
要するに、花の咲いている時間はとても短いということになる。それをカバーするのは、おそらくその強い繁殖力である。

ハゼランは、明治時代にやってきた帰化植物である。庭で栽培されていたところを逃げ出して、あちこちで増えてきた。なにせこんなに可愛らしい花なので、増加には人間も一役買っているのだろう。

もう一つの増加の理由は、種名のハゼラン=爆蘭 にある。
つぼみが爆ぜる(はぜる)ように開くから、ハゼランなのだが、もう一つ、実が爆ぜるように種がこぼれるからハゼラン、でもあるのだ。
種さえこぼれれば、こっちのもの。その風情とは裏腹に、アスファルトの割れ目からでも平気で育つほど、パワフルな花なのである。

hazeran ハゼランの故郷はというと、熱帯アメリカという。
熱帯か・・・またしても、ついつい地球温暖化と結びつけたくなってしまうお花発見!という感じであるが、くっきりとしたハゼランの花の色には、やはり心惹かれるものがある。

…nancyは、いまだにピンクの花が一番好きなのである。

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2005年5月31日 (火)

ヒメコバンソウ

ヒメコバンソウ 国指定湿地の前で撮ったキキョウソウの後ろで光っているのが、このヒメコバンソウだ。

ヒメコバンソウ・・・(姫小判草)  イネ科  Briza minor
ヨーロッパ原産のイネ科植物 別名 スズガヤ

これも、昨日と同様に時間をちょっと巻き戻してもらって、5/15の写真を見て貰おう。場所は近くの休耕田。
まだ、穂が開ききってない感じだが、既にコバンがたくさんだ。え?コバン?・・・そうそう、小判がたくさんぶら下がってるのが見えるだろうか?

himekobanso03nancyは、このヒメコバンソウが大好きで大好きで、初めて見たときからおもしろくて仕方がない。「何これ?」を連発して、きゃ~きゃ~と喜んでしまった。

コバンは花だが、カサカサに乾燥していて、穂を取って耳元で振ると、かさかさとした音がする。
それで、別名スズガヤ・・・つまり、鈴のカヤというわけ。ね?かわいらしいでしょ?

ヒメっていうのは、「小さい」っていう意味で使われるのだが、それではヒメの付かないコバンソウは・・・それは、また明日ご紹介しよう。

これまた、おもしろさでは負けてはいないのである。

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2005年5月30日 (月)

キキョウソウ

キキョウソウ 昨日に引き続き、キキョウソウの話だが、2週間前に時間を巻き戻そう。5/16の写真である。

ミルクたちと家の近所の田んぼ回りを歩いていた際に、小さく土を盛り上げている小山のてっぺんで、初めてキキョウソウと出会った。まだ一番下の、いわゆる「花」が咲いたばかり。

キキョウソウ・・・桔梗草 Specularia perfoliata キキョウ科 キキョウソウ属  日本に自生種は無く、帰化植物である。

さて、キキョウソウは、閉鎖花と言う、地味な「閉じた花」を先に"咲かせる"という。一見つぼみに見えるが、いつまで経っても開かないつぼみだ。
なんでそんなことをするのかというと、先に手っ取り早くつぼみ状態で自家受粉させてしまえば、仮に開花前に草刈りされても、確実に子孫を残せるというわけ。
もっとも、単に「草刈り」向けだけの戦略というわけではなかろう。キキョウソウにはキキョウソウの事情がありそうであるが、キキョウソウの花目立つ紫の花は、その後にのんびりと(?)咲き出すというわけだ。つまり、もう既に自家受粉済み、ほっと一段落して、(かどうかは知らないが、)美しく咲き、他の遺伝子を得て、更に強い子孫を残そうというわけだ。

もちろん、こういう戦略を使う花はキキョウソウだけではなく、スミレやホトケノザも閉鎖花を持つし、つまり、みな苦心しているのである。

ただし、キキョウソウはホトケノザほどには爆発的には群生化しない。1本2本、あちらにまた1本と、ずいぶん控えめに咲いている。

最初見たときは、その花の美しさから園芸種のこぼれ種かと思ったキキョウソウであったが、遠い異国からやって来て根を下ろし、苦心しながら生きながらえてきた見知らぬ女性の肖像が、なぜかだぶって見えるような気がした。

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キキョウソウとヒメコバンソウ

この週末は、よく身体を動かした。
昨日は泳いでからサイクリングしたし、今日は、国指定の湿地まで、これまた自転車で走ってきた。

…こう書くと、まるでプチ・トライアスロンみたいだが、草花や虫たちを追いながら歩くので、たいして距離は走らない。

さて国指定~の話だが、文字通り、国の指定で保護されているのだから、おいそれとは侵入できない。いや、そう厳重というわけではないのだが、密林の中、蔓植物などがぶら下がっているのを見ると、日本のターザンでも登場しそうな雰囲気だ。女子ども+一匹だけでは、薄気味悪くてちょっと入る気がしない。ここは、開催される見学会を待つことにした。

kikyouso-himekobansou中に入れなかったから何も収穫がなかったかと言えば、そんなこともない。
湿地の周囲の一角をぐるっと回っただけだが、ずっと気になっていたお花が、なんとコンビで登場した。キキョウソウヒメコバンソウだ。

どちらも外来種だが、日本に暮らして長いらしい。
今日はさすがに身体がばきばきなので、また明日、このお花たちの紹介をしたいと思う。

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2005年5月22日 (日)

梅雨のよう… キショウブの花

kishoubu 今日は、市民緑地の記念式典に出席した。

nancyの居住区の話だが、せっかく自然が豊かな田舎でありながら、実は親子で自由に憩える緑地も無い。そこで、妙にに人間の手が入った後、放置されていた小山(と言ってもかなり広い)の片隅を、市民緑地として蘇らせようと言う試みである。

kishoubu02奥まで歩いたら、果たして水場(農業用水からの流れだろうか?)があり、小さな湿原になっていた。キショウブが、野生化して咲いていた。

キショウブはヨーロッパ原産で明治時代に渡来したが、順応性が高いようで、湿地やビオトープでは、おなじみの花になっている。

キショウブ・・・キショウブ(黄菖蒲)  アヤメ科 Iris pseudoacorus

今日は、しとしとと雨が降り続き、蒸し暑さまで加わって、まるで梅雨時のような陽気になったが、傘越しに見る黄色い花が、目に鮮やかだった。

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