2007年1月12日 (金)

カエルたちが危ない!【ツボカビ症】国内初確認

12日の朝、娘を学校へ送り出す時、ふとTVの音が耳に入った。

えっ?カエルが危ないって?!

早速インターネットで調べると、「カエル・ツボカビ症」という両生類にとって致命的な真菌による病気が、12月に日本国内で確認されたのだという。
まだ野外での感染は認められていないが、もし野外に広まったら根絶は不可能、感染したら90%は死に至るという。
思わず血の気が引いた。…これは大変なことになった・・・

アマガエル nancyはアマガエルが大好きだ。
庭にはニホンアマガエルがたくさん生息しているし、ニホントカゲやカナヘビだって相当数住んでる。
昨夏などはヤモリにも何回か遭遇したし、そんな意味ではこの庭を地上の楽園のように感じることもある。(ちなみに彼らは爬虫類)

アマガエルたちは、すこぶる呑気で平和な生き物だ。
そんな彼らが苦しんで死んでいくなんて…
考えただけでも悲しい。
しかし、この問題は、カエルだけではすまないのである。

果たして、カエルが絶滅したら、どうなるのだろう?
「カエルなんて嫌いだから、絶滅しようが関係ないわ…」とおっしゃるあなた。
まずは単純に考えてみよう。
カエル、その他の両生類がこの世から姿を消したら、まずは彼らを食べている鳥やヘビや哺乳類等「上位捕食者」が道連れになって激減するだろう。
わずかこの部分だけを見ても、日本の生態系のバランスが大きく崩れるのがわかる。

また、田んぼで呑気に鳴いてるカエルが居なくなったらどうなるだろう?
彼らが食べている害虫が捕食者を失って激増し、農作物に甚大な被害が出ることは確実なのだ。
地球温暖化によって南方系の虫がどんどん北上していく中、マラリアなどの熱病を媒介する蚊などを食べてくれる両生類が居なくなったら… 想像するだけで身の毛のよだつ話である。

そして最終的には日本の、いや、地球の生態系全体が根底から破壊されてしまうのである。

幸い、今のところツボカビ症人への被害は報告されていない
よって、今現在カエルを飼育している人は、絶対にそのカエルの飼育放棄をしないでほしい。

もちろんこの問題は個人レベルだけでなく、関係省庁全て一丸となって、検疫の強化、流通の監視強化等、ツボカビ症蔓延の阻止に尽力する必要がある。

これは単にカエルだけの問題ではない。人類の未来に大きく関わってくる大問題なのである。


WWFジャパン では12日に緊急事態宣言を行った。

カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言

国民の皆様へ

 地球規模で両生類が絶滅の危機にあることを理解し、むやみに野生の両生類をペットとして飼育することは慎んでください。なお、ツボカビは、両生類以外には、人を含めた哺乳類、鳥類、爬虫類および魚類には感染したという報告はありませんので安心してください。
 すでに飼育している場合、飼育中の個体に異変があれば、すみやかに動物病院や専門の研究機関へ連絡をしてください。ツボカビは、水中を浮遊するため、水の管理が最も重要です。死亡したカエルを飼育していた水槽や水は感染源となります。これらの汚水などを排水口や野外に排水することは、禁物です。当然のことですが、飼育している個体を野外に放つことや死亡した個体を野外に投棄することは絶対にやめてください。飼育中の個体に異変があった場合には、野外の両生類との接触を避けてください。

詳細は下記サイトにてご確認下さい。

WWFジャパン
WWFジャパン

2007.1.12 日本の両生類 絶滅の危機に

日本獣医病理学会/日本獣医病理学専門家協会

社)日本獣医学会

麻布大学 

【ツボカビ症に関する連絡先】
日本野生動物医学会
zoo_and_wildlife@yahoo.co.jp

爬虫類と両生類の臨床と病理のための研究会
v-path@azabu-u.ac.jp


2007.1.16追記:
当記事に於けるテキスト引用に付いては、WWFジャパンより許可を戴いております。

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2006年7月13日 (木)

長いメンテ後には…  アキアカネ

7月に入ってから、日ごとに「ココログ」の更新作業が辛くなっていった。
とにかく重たいのである。
既にアップした記事の、一文字直す為に1時間も掛かる始末で、8日頃からは、それすら出来なくなっていた。

ニフティの「【特設】ココログレスポンス問題お知らせブログ」を覗いてみると、取って付けたような文章と、気持ちのこもらない謝罪の羅列。
怒濤の如く打たれた300近いコメントもそのままに、ココログは二日間のメンテに突入。
しかし二日間のメンテは長すぎた。どうにもリズムを逸してしまい、合わせるようにやってきた、スチームオーブンのような蒸し暑さも手伝って、尚更「でろ~ん」としてしまった。

長いメンテを抜けた後…
さくさく動くのかなぁ~と思ったが、そこそこ重い。
でもこれって、ココログでは普通かなぁ…(苦笑)
ま、この時間(夜11時過ぎ)にアップできるなんて、本当に久しぶりのことである。

未成熟な黄色いアキアカネ… と、気を取り直して、山の麓で出会った若いアキアカネ

アキアカネ・・・Sympetrum frequens 大きさ 36-43mm
時期 6-11月 分布:北海道・本州・四国・九州 日本の代表的なアカトンボ 
(参考サイト:昆虫エクスプローラ

6月頃、里の田んぼで羽化したアキアカネは、暑い夏の間、涼しく過ごす為に山を昇る。
麓の森に集結したアキアカネ、この時は200匹ほども集まっていただろうか。

ああ、もうそんな頃なんだ…と思ったのだが、家に帰ると庭でもアキアカネが飛んでいた。
何のことはない、家の周りは田んぼだらけなのである。
羽化したアキアカネは、2日ほど身体が固まるのを待ってから、近くの林や森で仲間たちと落ち合う。
そこで数日掛けて長時間の飛翔に絶えるだけの体力を養い、盛夏を過ごす山へと向かうのである。

アキアカネが避暑に向かうのは、気温があまりに高くなると体温が上がって死んでしまうためだ。
このため、彼らの避暑地はせいぜい気温20~25度程度、つまり約1~3000m級の山ということになる。
もちろん、一気には昇らないまでも、相当な飛翔能力である。

こうして夏に涼しい山で体力を付けたアキアカネは、秋になって里も涼しくなってくると、赤くその身を染めて山を降りてくる。
同時に里の空をも赤く染める。

庭で飛んでいたアキアカネ、無事に仲間と落ち合えただろうか。
更に高くと昇っているのだろうか…

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2006年6月18日 (日)

オトシブミを追って

Otoshibumiyoran02 親オトシブミとの対面は一瞬で終わったが、そのシルエットはくっきりと印象に残った。
「色は黒く、首がやたらと長い」のである。
これだけわかればなんとかなるかな…と思ったのだが、そうは問屋が卸さなかった。

元々少し薄暗い樹下でのことで、おまけにわずか一瞬の出来事だ。「黒」と言っても、濃い茶色ではなかったかと聞かれれば、はっきりとは否定できない。
所詮人間の記憶なんていいかげんなものである。ことに自分の記憶こそが一番アテにならないことは、常日頃痛感していた。(苦笑)

伊澤和義さんのホームページ「オトシブミ・チョッキリの世界」に掲載されている写真を見てみたが、いくつか候補は挙がったものの、「黒っぽくて首が長い」だけではとても一種に同定しきれるものではなかった。

ただ、nancyの見たオトシブミが、揺籃を巻いた虫でないことは明らかだった。
なぜなら、「首が長い」ということは、それがオスであったということを物語っているからである。
そう、オトシブミの揺籃を作るのは、メスだけなのだ。
メスの仕事中、オスが近くにいるときがあるが、この場合も手伝うことは絶対にないらしい。
つまりnancyが見た虫は、揺籃内の卵のお父さんということになる。

さて、虫の同定の決め手になるものに「食草」がある。
一種、もしくは2種くらいに限定されたした食草を持つ虫がいるのである。
もしかしたら、この揺籃のホスト木を同定できれば、オトシブミの種類も同時に同定できる可能性があるのではないかと考えたのだ。

そこで、今度はこの木の同定ということになった。
しかし、自慢じゃないが花が咲いていない木の見分けにはとんと自信がない。(咲いていたって怪しい;)
と言うわけで、今度は左サイドバー「参考サイト」にリンクを張らせて頂いている「このきなんのき」の掲示板で教えて頂くことにした。
ちなみに、ここには怖ろしいほどの?眼力の持ち主がたくさんおいでで、今まで質問してわからなかったことは皆無である。
今回も実に速やかなお答えを頂いたのだが、その回答こそが、今回のオトシブミが「その種類でなければならない」と言えるほどの、確かな証拠となり得たのである。

この木はエゴノキだったのだ!
これにはびっくりした。エゴノキ なんと、エゴノキとな!
エゴノキならちょうど川の向こう岸に、つぼみをたくさん付けた木があり、下界ではもう花は終わりかとあきらめていたのでうれしくなって写真におさめていたのである。
こちら岸の木には花がなかったので、エゴノキだなんて想像もしなかった。なんともおまぬけなことである。

エゴノキ・・・エゴノキ科 エゴノキ属 Styrax japonica 北海道・本州・四国・九州・沖縄に分布する落葉高木 花期:5~6月

と言うわけで、nancyが見たのはその名もエゴツルクビオトシブミだったのである。
エゴツルクビオトシブミは、エゴノキをホスト木とするオトシブミであり、その姿は真っ黒で、オスの首は極めて長い。写真を見て思った。「そうそう、この虫!!」
こうして3つの要素が揃い、同定までに至った経緯は、まるで一つの物語を紐解くようで、心からわくわくさせてくれた。

しかし、物語はこれで終わったわけではない。
実はエゴノキ自体、大変おもしろい木であり、おもしろすぎてなかなか書けないほどの兵(つわもの)である。(笑)
それに、オトシブミについてもまた新たな疑問が沸いてきた。

またいつか、うまいこと川が渡れそうな日があったら、エゴノキエゴツルクビオトシブミに会いに行きたいと思っている。

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2006年6月16日 (金)

オトシブミに会いに…

渓流際にて オトシブミの揺籃を見つけた後、どうしても落とし主であるオトシブミに会いたくなって、再びこの場所を訪れた。
もちろんもう一つのお楽しみ、「この川を歩いて(跳んで)渡る」つもりなので、今日は“上流の水量が減っているであろう”日である。
なにせ雨のシーズンだから、この日を外したら当分巡り会えないかも知れなかった。

この写真が撮れたと言うことは、無事向こう岸に渡れたということなのだが、渡る前にちょっと待て…。
はてさてオトシブミはいずこに?
写真奥の階段に、オトシブミの揺籃が二つ落ちていたのだが、どこから落ちてきたのかと考えれば、まず探すべきなのは階段左に見える樹である。
今日も落とし文は落ちているだろうか…

オトシブミの揺籃前に揺籃を見つけたあたりを探してみたが、残念ながら今日はここに文が落とされた様子はなかった。
そこで、今度は頭上の木を探してみると…、あった、あった。枝に付いたまま切り離されていない揺籃である。
果たして、肝心の親虫はいるのだろうか…

樹下に入ってみると、切り掛けただけや、巻き掛けて放棄したのやら、いくつか見つかった。
もしかしたら、この木をホストとするオトシブミは数匹いるのかもしれない。

…と、その時目に入った黒い影!
息を潜めていると、異様に頭(首)の長い虫が、葉の上に姿を現したのである。

オトシブミだ!

しかし、FZ5の駆動音が聞こえたのだろうか、撮る間もなくオトシブミはささっと葉裏に隠れてしまった。
素速い!こんなに動きが速いと思わなかった。

その後しばらく待っても、オトシブミはついに姿を現すことがなかった。
まるで幻のような、一瞬の出会いだった。

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2006年6月13日 (火)

オトシブミ(落とし文)の揺籃

渓流 タニウツギの写真を撮った後、渓流際まで降りていった。
ざ~~っと絶え間なく聞こえる水の音。
水量が少なかったら、向こう岸に歩いて渡ろうと思っていたのだが、生憎この日は雨上がりだった。
写真手前、下流すぐには滝があり、小さなミルクが流されて落ちては大変なので、さすがに渡るのは断念した。

オトシブミの揺籃う~ん、残念!
水際まで作られている階段を降りて恨めしく思っていると、なにやらおもしろいものを見つけた。
それは、くるくると葉っぱが巻かれた筒状の物体で、直径は1cm足らず、長さは2cmくらいか…

これってひょっとして・・・?!
オトシブミ?!

オトシブミとは、木の葉を切ってくるくると巻き卵を産み付け、出来上がった葉っぱの包みを下にぽとりと落とすという、まことに不思議な習性を持つ虫のことだ。
そして、落ちていた葉っぱの包みこそ、揺籃(ようらん)と呼ばれる「卵のゆりかご」なのである。
オトシブミ(落とし文)とはよく名付けたもので、本当に恋文が入っていそうなほど、大事に作られていた。

正直言って、実際にこの目で見るのは初めてだ。
TV(多分NHK)でしか見たことがなかったし、そのときも小さな虫が葉を切って巻いているのを見て、「へぇ~!へぇ~!」の声しか出なかった。
オトシブミの揺籃 いやいや、まさかそのオトシブミの揺籃に会えるとは思わなかったから感激である。
しかし、本当にオトシブミ
見れば、揺籃は小さく細かく折り込んである。
これがまさか虫が作ったものだなんて…

娘に教えると、「開けてもいい?」「だ~め!」
…と、近くにもう一つ揺籃が落ちているのを見つけた。
こちらは、葉っぱの葉柄がくっついている。
間違いなくオトシブミだ。

この時すぐに上を見たら、落とし文を落とした張本人に会えたかもしれない。
しかし、残念ながらこの時は、川は渡れないし予定変更ならばぐずぐずしている時間は無いし…ということで、すぐに立ち去ってしまった。

家に帰ってからインターネットで調べてみると、オトシブミやその仲間について大変わかりやすく解説してある、オトシブミ・チョッキリの世界というサイトを見つけた。(サイト・オーナー : 伊澤和義さん)
オトシブミに関するページを読むうち、「う~ん、あの落とし文の落とし主であるオトシブミ(ややっこしい!)に会いたいぞ!」と強く思うようになった。
と言うわけで、娘との約束である、「川が渡れるほど水量が少ない日」との条件付きではあったが、オトシブミに会いに行くことにしたのである。

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2006年6月 6日 (火)

深夜の招かれざる客

一昨日のことである。
とんでもない客がやってきた。
いや、「やってきた」というのは、正確な表現ではないかもしれない。

場所は深夜のキッチン。
相変わらず遅い時間に後片付けをしていたnancy、「ようやくフィニッシュ!」とばかりに台ふきんでその辺りの水気を拭き取ろうとした矢先、いきなり右手にビリッと電気的な衝撃が走った。

痛っ!

一瞬何が起こったのか、わからなかったが、反射的に手を激しく振った先に、カサササ…と逃げる何かが見えた。
カサササ…」である。

足の数が…多すぎるぞ……げ!!!
Mukade_1ゲジゲジ~~!刺されたぁ!

「ゲジゲジ」も「刺される」も間違いである。正しくは「ムカデに噛まれた」のだが、人間とっさに出る言葉なんてこんなもんである。
きゃつは、シンクの中をかさささ…と走り回り、生ゴミの後ろに逃げ込んだ。
それを見届けてから、ふと我に返った。

…いくらなんでも、痛すぎるじゃないのぉ…

びりびりと電気が走るような、はたまたカミソリで切られているような鋭い痛みである。
しかし、いったいどこを噛まれたのか、右の小指のどこかなのだが、はっきりとしたポイントがわからない。
それなのに、とにかくめっちゃくちゃ痛い

とっさにじゃーじゃーと勢いよく水道水を出して指に当てた。
これじゃまるで火傷の処置だ。ま、火傷の痛みに似てなくもないからいいだろう。
我ながら訳のわからない理論だったが、後になってみれば、この「水じゃーじゃー」が良かったらしい。
娘が持ってきた消毒薬を振りかけると更にびりびりと痛んだ。

「さて…、やつをどうにかしなければ…」
我が家でこれ以上犠牲者を出してはならない。
水道水に指を当てながらも、いっときたりともムカデの逃げ込んだ辺りから視線を離さなかった。
決して逃がしてなるものか…

半べそをかいている娘にお湯を沸かすように言い、意を決して最終対決に望んだのだった。
まるでエイリアンとの一騎打ちのような気分である。
煮えたぎったお湯の入った小鍋を片手に、生ゴミ裏へと狙いを定めた。
奴はここにいる…

…!アタリを付けて小鍋のお湯を撒いた。
するとムカデは、隠遁の術が破られたかのようにその禍々しい姿を見せ、時代劇の切られ役のように大げさにのけぞったかと思うと、倒れたまま動かなくなった。
あっけないほどの幕切れだった。
それでもなんだか不死身な生命を持っているような気がして、だめ押しでもう一度熱湯を掛けた。もういいだろう…。ふぅ~、思わず力が抜けた。

当面の恐怖が解決したところで、また指が痛みだし、「ムカデに噛まれたときの手当法」を検索した。
いろいろな情報があってありがたかったが、
中には、「ムカデにはムカデ油が一番」というのがあって、そのようなモノはそうそう手元にあるわけがないだろうと思った。
いつかムカデに刺されるときの為にムカデを探し回り、ムカデの反撃を喰らってまた噛まれてしまったら元も子もないのである。(注:ムカデ油は火傷の薬である)

また、「ムカデは必ず“つがい”で居るので、殺したときには必ず遠くに捨てに行かなければならない」というのもあった。
これには思わず指の痛みも忘れ、「ムカデ夫(オスかどうかもわからないが)の仇!覚悟!」と、白装束のムカデ妻が仇討ちにくる姿を想像してしまった。

…と、ここで笑い事ではないことに気が付いた。
ムカデの仇討ちも怖いが、それより怖いのがムカデの毒によるアナフィラキシー・ショックだと言うのである。
ハチ毒や食物、薬物等が原因で起こる急性アレルギー反応のうち、呼吸困難や血圧低下などの全身的な反応をアナフィラキシーと呼び、生死に関わる重篤な症状を伴うものをアナフィラキシー・ショックと言う。
昔、知人がアシナガバチに刺されてショックを起こして救急車で運ばれ、すんでのところで九死に一生を得たのを思い出した。
やばい…私はここでムカデに噛まれて命を落とすのか… 娘よ、さらば、無念じゃ…

…手当の話に戻ろう。
まず第一に、できるだけ毒を出さなければならない。
やり方としては、「口で毒を吸い出す」または、「水道水を流しながら指でつまんで絞り出す」というのが良いようだ。
最終的に両方ともやってみたのだが、まずは、「口で吸い出す」である。
傷付近に口を当て、ちゅっと吸ってはぺっと吐き出し、吸っては吐き出ししているうち、なんだか子どもの頃に見た西部劇の主人公のような気分になってきた。
ガラガラヘビに噛まれ、瀕死の重傷を負うのだが、傷から毒を吸い出して無事助かるのである。めでたし、めでたし…
…しかし、噛まれて涙が出るほど痛くて、相当焦っているはずなのに、なんでこう脳天気なことばかり思い出すのだろう。

と、手当の話に戻る。
次に、「ステロイド軟膏を塗る」とあったので、最近お気に入りの虫さされ用の薬を塗った。
最後に、どのサイトにもあった言葉が、「できるだけ早く医療機関へ」であった。
これについては深夜であるし、当面重篤な症状もなさそうなので、とりあえず寝ることにした。…が、この騒動の後では、なかなか寝付けなかったのは言うまでもない。

翌朝にはずいぶん痛みも取れて、病院にはなんとか自分で運転して行った。
お医者さんも「これなら大丈夫」と太鼓判を押してくれ、その後時間を追うごとに痛みは和らぎ、夜には小指でタイピングできるまでに回復したのだった。

おそらく、「水道水じゃーじゃー」や、「娘の消毒薬」や、「毒の吸い出し」や、薬が良かったのだろうが、通常ムカデに噛まれると、1週間くらいは腫れてしまうと聞く。
つまりは、たいして噛まれなかったのだろう。

ムカデの侵入経路を考えたのだが、nancy夫作「ブロッコリーのスプラウト」が入った、小さなバケツが思い当たった。
スプラウトは撒き方が悪く、食べるにはかなり難しい代物となったのだが、思えば玄関ドアの外で育て、そのままキッチンに「食え」と持ち込んで来たのである。
その中にムカデが潜んでいたのではないだろうか?
つまりは、いつかは噛まれる羽目になったのだろうから、これはまことにもって不幸中の幸い、この程度で済んだのだから、結果的には運が良かったような気がしてきたのである。

ムカデにしても、この度は悪意で不法侵入したわけではなく、言うなればいきなり室内に持ち込まれてしまったのかも知れないし、nancyの指を噛んだのも、いきなり掴まれてびっくりしての正当防衛と言えなくもない。
その屍を見ると、ちっぽけなゴムのいたずらおもちゃそっくりになってしまい、割り箸でつまむとぷるぷると空しく震えた。

次に噛まれたときは今度こそアナフィラキシー・ショックの恐怖が待っているのだが、それでも思った。

明日、土に埋めてやろうかな…。

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2006年5月24日 (水)

ミヤコツツジとヤブキリ

ミヤコツツジとヤブキリ ヤブキリの幼虫はツツジの花が好きだ。
5月になると、ピンク色の花びらにとまった黄緑色の小さなヤブキリの赤ちゃんをよく見掛ける。
このきれいな色の取り合わせを見ると、まさに5月そのものである。

ヤブキリ…Tettigonia orientalis 成虫の大きさ (翅端まで)45-50mm 時期 6-9月 分布 本州・四国・九州
(参考サイト:昆虫エクスプローラ

ヤブキリの幼虫 ヤブキリは大型のキリギリスで、他の虫を食べる肉食なのだが、赤ちゃん時代は花粉を食べるので、よくツツジの花の中にいる。
ツツジの花粉は一つ一つが糸で繋がっている為、花の中の虫はあっという間に花粉だらけになってしまい、結局受粉のお手伝いをする羽目になる。
このヤブキリもご多分に漏れず、身体中に花粉をたくさん付けていた。
それにしても、なんと触角の長いこと!である。余計なお世話だが、誤って踏んづけたりはしないのだろうか。

写真のツツジはミヤコツツジと思われるが、ミヤコツツジヤマツツジとモチツツジの自然交雑種で、両者の特徴を併せ持つ。

ミヤコツツジ・・・(都躑躅) ツツジ科 ツツジ属 Rhododendron tectum 山野に生える半落葉低木 花期:5~6月

東海圏の山に自生するツツジは、ヤマツツジ、モチツツジ、ミヤコツツジが多いようだが、植栽されたヒラドツツジなんかも交雑するらしく、写真だけでは微妙な花もあって、ツツジ新人のnancyには、ちょっと判別しづらいところである。

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2006年5月23日 (火)

ヤマツツジとミヤマカラスアゲハ

ミヤマカラスアゲハとヤマツツジ ツツジが美しい季節である。

ツツジにはおいしい蜜が隠されているから、子どもの頃、合弁花であるその花を、萼からすぽんと抜いてちゅっと蜜を吸った人は多いはず。

というわけで、おいしいものがあるところには、たくさんの虫たちが訪れる。
写真は、ヤマツツジの花にやってきたミヤマカラスアゲハ
相当な恥ずかしがり屋と見え、ひらひらひらと落ち着き無く飛び回ったかと思うと、森の奥に飛んで行ってしまった。

ヤマツツジの花_1 ヤマツツジ・・・(山躑躅) ツツジ科 ツツジ属 Rhododendoron obtusm var. kaempferi 山野に生える半落葉低木 花期:4~6月

山に咲くツツジで朱赤色と言えば、このヤマツツジだろう。
日陰がちな林道では花期もゆっくりと進むのか、きれいな花を見ることができた。
花はロート状で先は5裂し、上を向いた5本の雄しべと、更に長く伸びた雌しべがよく目立つ。

ヤマツツジの葉ヤマツツジの葉は、春に展開する春葉と、夏に展開する夏葉とがある。
春葉は長く大きめで秋には落葉してしまうが、夏葉は小さく暖地においては冬でも葉を残す為、半落葉樹木とされている。

ヤマツツジの葉には表裏ともに粗い毛が密生しており、特に若葉の頃は目立つ。
林道での帰り道、西からの陽を受けた毛がきらきらと光っていた。

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2006年1月12日 (木)

蝉の脱け殻

蝉の脱け殻 山で見た、蝉の脱け殻

夏場であれば何も珍しくない光景だけど、これがお正月に捉えた一コマであるから、「あら?」ってなことになる。

この葉の主は、確かどんぐりのなる樹だったと思う。
この木が常緑樹だったからこそ、この脱け殻に会えたのだが、常緑樹でどんぐりがなって、葉には小さな鋸歯(葉の縁のギザギザ)が見えるので、アラカシあたりかなぁ…?というところ。

脱け殻は、がっしりとして大きめのサイズ。セミの種類はなんだろうな?
それにしても、ここは羽化する場所としてはいかがなのだろうか?
通常は木の幹とか枝とか、もうちょっとしっかりした場所を選ぶのではないだろうか?
数年間も暗い土の中で過ごした後の、せっかくのデビューである。
それなのに、風で簡単に揺らぐような木の葉を羽化の場と決めたこのセミ。
きっとせっかちな性格だったのだろうな…なんて、セミの事情も知らずに勝手なことを考えてみる。

葉の高さは地上から50cm程度だが、樹が大きくてこんもりとしているから、ちびっ子たちにも見つからず、こうして真冬になるまでつやつやのまま守られて、この葉にずっととまってきた蝉の脱け殻。

蝉の脱け殻

…と、写真を見ていたら、殻の右上、葉っぱの縁から覗く小さな小さな触角を発見した。
この身も凍るような厳寒の中、である。
日陰には根強く雪が残る寒さの中、生き生きと活動する生命(いのち)がそこにある。

それは、深く豊かな山に抱かれて生きるものたちの、言うなればバトン・リレーみたいなものかな…と思った。

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2005年12月17日 (土)

ムクドリと柿の木

柿の木に群がるムクドリ ぎゃーぎゃーと、なにやら騒がしい声がして振り向いてみると、わ~!すごい鳥の大群!

見れば大きな柿の木が、黒山の人だかり…いや、鳥だかり。
何かなぁ~と少しずつ近寄ると、こちらの姿を捉えた神経質な鳥がばたばたと飛び立ち始め、あっという間に半数以下に減ってしまった。そこで近づくのはあきらめてその場でぱちり。

ムクドリ 今までだったら、お蔵入りの写真になってしまうところだったが、さすがは光学12倍。
引き伸ばしてみたら鳥の姿が見えてきた。
特徴的な頬とお尻の白い羽毛。
どうやらムクドリの大群らしいことが判明したのである。

ムクドリ・・・スズメ目 ムクドリ科 全長24cm程度

自慢じゃないが、鳥に関してはさっぱりだ。
ぱっと見てすぐに見分けの付くのは、スズメにカラス、ハトにツバメ…とまぁ、誰でもわかる鳥くらいである。
ムクドリ そこへムクドリという見分けの付く鳥が増えたのだから、新デジカメFZ5あっぱれだ。

この時期、数羽のムクドリが柿をついばんでいるのを見かけるのは珍しくない。
先日も、コンビニの駐車場に止めたプリちゃんの中で娘と軽く昼食を食べていると、塀を隔てたお宅の小さな柿の木に1羽のムクドリがやってきたと思ったら、1羽、また1羽と飛んできて、しまいには10羽くらいでランチを楽しんでいた。

昨日その柿の木を見たら、もはやいくつかのヘタが空しく残るばかりとなっていたので、この食欲にあってはとてもたまらないと思ったが、このムクドリ、かつてはここまで多い鳥ではなかったらしく、田畑の害虫を食べる益鳥としてありがたがられる存在であったのだ。

それなのに、昨今では街路樹が真っ黒になるほどの大群がもたらすふん害等はすさまじく、都市部でも深刻な問題となり、もはやムクドリを益鳥とは呼べない状況になっているのである。

ムクドリが爆発的に増加してきたのはここ30年ほどのことらしく、それ以前、寒い地方のムクドリは越冬することなく南に渡っていたという。
30年くらい前というと、地球温暖化による動植物の変化が報告され始めてきた頃である。
この時期の一致は、何を物語っているのだろうか。

自然とは絶妙なバランスの上で均衡を保っているものだ。
こうしたアンバランスから起きた歪みが、やがては生きとし生けるもの全てに重大な問題をもたらすのである。

この世の春といった感じのムクドリたちの姿。
彼らが何かを教えてくれているような気がしてならないのだが、考え過ぎなのだろうか。

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