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2006年11月14日 (火)

今度は毛虫? テンニンソウ

テンニンソウの花 ようやく満開となったテンニンソウである。
実際には、10月後半のことなのだが。

ヒノキの大木の下、イモムシから歯ブラシへと変化したテンニンソウ、その後はぐるりと円筒状に、次々と淡黄色の花を咲かせていった。

テンニンソウ・・・(天人草) テンニンソウ属 シソ科 Leucosceptrum japonicum 花期:10月 落葉半低木

さて注目。上の「半低木」とは、草のように見える樹木のことだ。
つまり、テンニンソウはいかにも草っぽいし、名前に「草」とは付くが、左サイドバーの白岩先生の植物教室によると、実を言うとこう見えても木本、樹木なのである。

そこで気になる「草本と木本の違い」についてだが、めちゃくちゃ簡単に無理矢理一言でざっくり言えば、「茎の周りに形成層があって年々太く育っていくものが木である」のだが、無論これも一概には言えないらしい。

ともあれ、テンニンソウは木本である。
地上部の茎は草状で、冬など「生育に不適な時期」には枯れるのだが、下部や地下茎は木質化しており、大きく全体を見れば立派な樹木なのだ。
発達した地下茎によって、地上では大群落を形成することもある。
そうなれば、群落そっくり丸ごと、一つの樹木とも言えるのかも知れない。

テンニンソウの花というわけで再びテンニンソウの花を見つめてみると、う~ん、今度はイモムシから毛虫へ???
なぜかnancyの想像はキモカワ系に行ってしまうのだが、実際テンニンソウの花は、あまり美しいとは評されない。

それなのになぜ「天人」などという素晴らしい名が付いたのか…
通説では、テンニンソウの葉はアブラムシたちの格好の餌食になりやすく、ひどくぼろぼろに食われた葉がまるで天人の羽衣のようだから付けられたらしい、というのだが…

以下はあくまでnancyの想像だが…
薄暗い森の道沿いに群生したテンニンソウの花は、そこだけほんのりと明るく見える。
つるべ落としの秋の陽…。人工的な強い光のない森の中で、テンニンソウの花の放つぼんやりとした明るさは、道急ぐ人にどれほど安心感をもたらしたことだろうか。

もちろん、テンニンソウと名付けた人は相当なロマンチストであったに違いないし、もしかしたらすごく良いことがあって、すこぶる機嫌が良かったのかもしれないが、薄暗い山の中で出会ったテンニンソウの群落に天人を見出したとしても、ちっとも不思議ではない。
常に煌々と光が溢れ、闇夜と同時にメルヘンをも失った現代においては、決してテンニンソウなどという風雅な名が付くことはないだろう。

テンニンソウの花後 さて、ようやくテンニンソウの現在の姿に追いついた。
とある低山での一コマであるが、半分道に迷いながらなんとか降りたところに沢があり、迷っているのについ好奇心を押さえきれず進んでみると、木陰に隠れたテンニンソウに偶然出会えたのである。
道に迷った心細さの中で、ばったりと知人に出会えたような気持ちになったのを覚えている。

小さな滝の音が常に聞こえる中、沢沿いのテンニンソウの花穂は、既に萼片を身にまとうばかりとなっていた。
もちろん、その中では大切な種が育っている。

(nancyが勝手に、であるが)イモムシから歯ブラシ、毛虫…と、転生を繰り返したテンニンソウ、ここに来て初めてシソ科らしさが見えてきたような気がした。

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コメント

テンニンソウ、見たことあるような気が
します。
しかし木本とは…。そう言えば、高山植物
のチングルマが、よく見ると木だということ
を立山のビジターセンターで知って、とても
深く感動したことを覚えています。
木が大きいとは限らないのですね。

テンニンソウ、きっと風流人がつけた名ですね。

投稿: かぎたま | 2006年11月16日 (木) 12:44

かぎたまさん、こんにちは。
物事見掛けではわからない部分がありますよね。
大きな草本があったり、小さな木本があったり。
なかなか興味深い世界です。

テンニンソウ、もし現代名付けられるとしたら、
やっぱりイモムシソウ?それともケムシソウ?
はたまたコップアライソウとか。(笑)

投稿: nancy | 2006年11月17日 (金) 14:51


テンニンソウって木なんですか。
どうもいまだに納得しがたい感じです。
葉だって花だって、草そのもののような気がします。
これは茎であって幹とは言い難いのですけど。
<地上部の茎は草状で、冬など「生育に不適な時期」には枯れるのだが、
下部や地下茎は木質化しており、大きく全体を見れば立派な樹木>
なるほど、そうなんですか。
世の中には変わった人がいるけれど、この草、いや木もまたそうなんですね。
毛色の違ったものがあるから面白くて楽しめる。
全部が全部、規則通りのことだったら、つまらない。
例外が必ずあるところに人生の機微もある。
そう思うと今度はすごく得心がいきました。
テンニンソウの話、すごく感じ入りました。
nancyさんの解釈、理にかなっています。
そうしてロマンの香りもほのかに漂ってきます。

投稿: asitano_kaze | 2006年11月17日 (金) 21:27

asitano_kazeさん、こんにちは。
テンニンソウの開花期を、
ゆっくりじっくり見つめてみました。

なぜテンニンソウが毎年同じ場所にまったく
同じように生えてくるのか、それは、
木質化した基部が何年も掛けて成長しつつ
生きているからですね。

草本も木本も人間が決めた単なる分類ですが、
それを知ることによって、その植物への理解が
一段深まるような気がしました。

テンニンソウって、本当に魅力的な植物ですよね。

投稿: nancy | 2006年11月17日 (金) 22:51

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