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2006年10月12日 (木)

キンモクセイの香りに包まれて…

山は、覚えのある香りにすっぽりと包まれていた。

あれ…?いい香りがする…
ああ、もうそんな時期になるのか…

キンモクセイつい忙しく過ごしてしまい、心を振り返ることも出来ないとき…
キンモクセイからの便りが届く。

キンモクセイ・・・(金木犀) モクセイ科 モクセイ属 Osmanthus fragrans var. aurantiacus 常緑小高木 花期:10月 中国原産

今回は、あのアケボノシュスランの待つ高みへは登らず、麓の辺りで遊ぶことにしたのだが、時折ふわっと鼻腔をくすぐるキンモクセイの香りに心誘われた。

キンモクセイの花…いったいどこに植わってるのかな…

風の向きによって、香ったり、やんだりを繰り返す。
香りは物質なのだと、つくづく思う。

程なく、「キンモクセイみっけ!」と、香りの主を発見したのだが、
一つ一つの花はそれほど強い香りを発しているとは思えない。
まさに集団のなせる業である。

キンモクセイの花 と、娘が花を掌に乗せて叫んだ。
「ママ!この花、雄しべしか無いよ。」

そう。キンモクセイ雌雄異株
そして、このキンモクセイは雄株なのだ。
もちろん、雄株とはいえ雌しべも無くはないのだが、未成熟で目立たない。

雄株があるなら雌株はどこ?
と思うのだが、日本に存在するキンモクセイは全部雄株で、雌株は存在しないらしいのである。
キンモクセイの故郷である中国南部では、雌株の花を見ることもできるのだが、江戸時代に日本にもたらされたとき、花付きの良い雄株しか持ち込まれなかったらしい。
どうやって増えたかと言えば、キンモクセイは挿し木で容易に増やせるからだからだが、つまりは日本に咲くほとんどのキンモクセイは同じ遺伝子を持つクローンなのだろうか。
だから、毎年この時期に、ぴたりと合わせて一斉に咲くのだろうか。

キンモクセイの属するモクセイ科には、ヒイラギ、ネズミモチ、オリーブなど、実のなる木がずらりと並んでおり、ヒイラギとモクセイとは「ヒイラギモクセイ」という“子”まで成している。(もっとも、接ぎ木によるものだが…)
日本のキンモクセイ、もし実を付けることが出来たならこれだけの花の数である。さぞかし見事なのかも知れない。

キンモクセイの大木さて、冒頭、どこで咲いているのやら、キンモクセイ…と思っていたら、灯台もと暗しだったのがこの写真。
うわ~!でっかい!
キンモクセイは、近所の生け垣で咲いているイメージが強いのだが、一般には樹高は4~6mとも言われている。
それどころか、剪定しないでぐんぐん伸びると10mほどにもなるという、立派な常緑小高木なのである。

このキンモクセイたちの後ろには急な階段があり、ひ~ひ~言って階段を上っていたnancyたちは、一番香る花の鼻っ先に居たわけだ。
しかし森の樹木たちに遮られて、肝心の花はまったく見えてなかった。よって、香りすれども姿無し…だったわけである。

キンモクセイの花期は短い。
一斉に咲いた花はやがて一斉に散りゆきて、道を黄金色に覆う。
その道を歩むとき、来たる冬の寒さを想うのである。

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コメント

nancyさんの記事はほんとに読み応えがあります。
私など金木犀の花ばかり撮っているだけで、その他のことは何も知りませんでした。
無知そのもので、このブログで少しは賢くなったような気がします。
それにしても母が母なら娘もすごい。
落ちている花びらを見て、雄しべがないという。
全く目の付け所が他の子とは違いますね。
金木犀は意外に大きな木になるんですね。
小さな木ばかり見てきたので、びっくりしました。
金木犀は名前の通り、ほんとに光を受けるときらきら金色に輝くのですね。
この花は香りによってその存在を知らせ、
落下して路面を染めてまた生きていた証しを見せます。
そうして秋はずんずん深まっていくのですね。

投稿: asitano_kaze | 2006年10月12日 (木) 23:38

asitano_kazeさん、こんにちは。
お褒め頂きありがとうございます。
ですが、全然とんでもないのですよ。(笑)
なぜなら、この場所には数え切れないほど通っているのに、このキンモクセイの大木に気が付いていなかったというお間抜けさだったのです。(笑)
キンモクセイの花期が短いことと、山は広いしその時々で主役になる花があるので、ずっと気づかずにいたのですね。
帰り際、反対側の森から出てきたとき、目の前に黄金色の花をたくさん咲かせたこの木がずん!と現れたのですから、それはもうびっくりして、思わず歓声を上げてしまいました。

子どもの着眼点はおもしろいですね。
「雄しべしかない!」
なぜなら、学校で花のつくりを勉強したからです。キンモクセイの不完全な花を不思議に感じたのでしょう。
そして言われた私は、キンモクセイが雌雄異株であり、日本には雄株しかないことを思い出したのでした。

投稿: nancy | 2006年10月13日 (金) 12:53

金木犀…スッカリ秋ですよね(^-^)
最近はメッキリ季節感を感じることも少なくなって、しかも草木に関して全く知識の無い私だけど(^-^;…nancyさんのブログで季節感や自然を感じられるのが凄く好きですよ♪

投稿: ホームズの猫 | 2006年10月19日 (木) 14:54

ホームズの猫さん、こんにちは。
ご無沙汰しております。
最近、公私ともに忙しく、すっかり遅筆になってしまいました。
来週明けには少し楽になるかな…、山にも行きたいな…と思っています。
懲りずにまたお越しくださいませね。

投稿: nancy | 2006年10月22日 (日) 21:40

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