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2006年9月27日 (水)

アケボノシュスラン (曙繻子蘭)

アケボノシュスラン 小さな小さなその花は、たったひとりで咲いていた。
秘密の小道のその奥で、ただ、ひそやかに咲いていた…

アケボノシュスラン・・・(曙繻子蘭) ラン科 シュスラン属 Goodyera foliosa (Lindl.) Benth(標準) 山地の林内に生える常緑の多年草 草丈5~10cm 花期:8~9月 分布:本、四、九

久しぶりの山で、久しぶりの道を歩いた。
ここはまさに秘密の場所だ。
訪れる者はわずかと見え、誰かと出会った試しがない。
だからこその「出会い」が、ここにはある。

ここは、あのキンランと出会った小道よりも標高が高い。
太陽の強い光は木々に遮られ、淡い光の衣となって辺りを柔らかく包み込む。
常に山肌を湧き水が伝い、静かに渓流へと溶け込んでいく。
足下は常に湿っており、そこに漂う空気までもがしっとりとしている。
そんな環境の下、ここにはいろいろな湿地植物がひっそりと息いているのである。

Akebonoshusuranup2人ひとりがやっと歩けるような細い道。
山寄りに少し高くなった、水はけの良さそうなところに、アケボノシュスランは咲いていた。
アケボノシュスランは、本当に小さく、目立たない花だ。
その草丈はわずかに5~6cmほどか…
あたかも、そっと寄り添う恥ずかしがり屋の少女のようだ。
渓流の水の音響く足許で、その名の由来となったほんのり紅に染まる花が二つ、かすかに光っていた。

アケボノシュスランとは、これが初めての出会いである。
いったい何という花だろう…
とりあえず手持ちの図鑑をめくってみたが、まさかラン科のお花とは思わなかったので皆目わからない。
そこで、いつものように左サイドバー・リンク集のMOCAさんに教えを請うたのだった。

その花の名はアケボノシュスラン、もしかしたら上流か近隣に集団があるのかも…。この個体はまだ若い株のようだし、ここで増えてくれたらうれしいですね。…とのこと。

名前さえわかれば、さぁ満足…ではなかった。
アケボノシュスランは希少種で、地方自治体によっては絶滅危惧種に指定されている種である。
希少な野生蘭ということは、イコール盗掘の危険にさらされている花なのである。

Akebonoshusuranleaves nancyは「盗掘」という話を聞くたび、ひどく憂鬱な気分になってしまう。
例えばサギソウなどは、一度自生地から出たものは、二度とその地で根付くことが出来ないと言う。
こうして住み処を失われてしまった花たちのことを思うと、どうにも哀しくてたまらなくなってしまうのだ。

アケボノシュスランは、湿り気のある薄暗いところを好む。
湿度は必要だが蒸れは嫌い、水はけの良さも生育条件の一つとなる。
空気は決してよどむことなく、いつもわずかに風の感じられる場所。
すなわちアケボノシュスランは、こんな秘密の小道だからこそ咲く野生ランなのである。

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コメント

nancyさん、お久しぶりです。
休日だからひょっとして更新されているかなと思ってやってきました。
アケボノシュスラン・・・響きのよい名前ですね。
とっても可愛らしい感じの花。
草丈が5~6cmですか。
ほんとに両頬をぽっと染めた内気な少女ような感じです。
生育条件がいろいろと難しいんですね。
それだけに盗掘する人には狙われるんでしょうね。
こういう心のない人のことを愚痴っても仕方ないです。
住む世界が違うと言うより他はないですから。
見つからないように秘密の小道のわきでそっと咲いててほしいですね。
心ある人だけが訪れて、風や雲のこと、いま心に想ってることなど
ぽつりぽつり話せたらいいですね。

投稿: asitano_kaze | 2006年10月 1日 (日) 13:03

asitano_kazeさん、こんにちは。
遅筆なのに、来訪して下さってありがとうございます。
このお花、小さくて目立たなくて、おまけに薄暗いところが好きで…。
なので、たくさん撮ったのに、なんとか見れるのはこの1枚だけでした。(笑)
まさかその時は、そんな希少な蘭だとは思いませんでしたけどね。
この場所で増えてくれることを、心より祈っています。
また会いに行く日のために、小さな三脚をgetしなくてはと思っています。

投稿: nancy | 2006年10月 1日 (日) 17:09

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