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2006年8月13日 (日)

オオチドメのじゅうたん

オオチドメここは山の麓。
何気なく歩いていて踏み込んでしまった場所。
足の裏にやんわりとした抵抗を感じて、はっと足元を見た。

そこはうっかり踏み込んでしまった緑の海だった。
まるで浮き草のようだけど、水の上ではない。

オオチドメ 注意してそっと後ろに下がると、全容が少しだけ見えてきた。
まわりに見える大きな葉はクズ(葛)。
それと比べてずいぶんと小さな葉っぱたち。
これはオオチドメの大群落なのである。

ここは道からも外れ、およそ人に踏まれることのない場所である。
さながらオオチドメの楽園とでも言おうか。そこへいきなり人間が踏み込んできたのだから、オオチドメたち、さぞかし驚いたに違いない。

オオチドメ・・・(大血止) セリ科 チドメグサ属 Hydrocotyle ramiflora Maxim 山野にごく普通に生える多年草 別名:ヤマチドメ 分布:北、本、四、九  花期:6~10月

オオチドメの葉 オオチドメは山野のいたるところで見ることのできる草だ。
葉の縁が少し上がっているので、お皿のように雨上がりの水がたまっていた。

オオチドメノチドメと非常に似ていて、葉だけを見ると、違いがわかりにくい。
強いて言えば、ノチドメと比べて葉の切れ込みがほとんど無いことくらいか…。

オオチドメだから葉っぱが大きいかというと、そんなことはない。
オオチドメの葉が直径1.5~3cm、ノチドメの葉2~3cmと、標準の数値はそんなに変わらないのだ。
もっとも、山ではやけに大きなオオチドメの葉を見掛けることがあるから、大きな葉が出現する割合はオオチドメの方が高いのかも知れない。

オオチドメ しかし、花期なら誰でも迷うことなく見わけることができる。
上の写真でも見ることができるが、オオチドメの花は花柄が長く、葉の上に顔を出している。
片やノチドメの花の花柄は短く、咲いても葉の下に隠れてしまう。
というわけで、ぴょんぴょんと顔を出す花の存在から、これはオオチドメだと一瞬でわかったわけである。

オオチドメの花 そんなオオチドメの花。
葉腋から花柄を伸ばし、先端に淡緑白色の小さな花を10数個付ける。
花序は散形花序と呼ばれ、鞠のような球形となる。

その姿は、さながら「小さな世界」のくす玉のよう。
いや、お人形さんのかんざしと言った方がいいかもしれない。

そのかんざしの先に咲いた花は、あまりにも小さい。
直径約2mmあるかなしかと言ったところだろうか。

オオチドメの花色も淡緑白色と、本当に目立たない花だが、よく見ると5弁の花弁を持った端正な形の花なのがわかる。
花弁の先は内曲しないので、ピンと張ったきれいな星形だ。

花は球形の花序の外側から咲いていく。
この花はもうだいぶ内側なので、外側には既に結実した果実が見える。
果実の大きさは約1.5mm。やや扁平な球形で、写真ではわかりにくいが、2個の分果が一つにくっついたものだ。

山の麓で見つけた、おそらく誰にも踏まれることのないオオチドメのじゅうたん。
その感触には、ふかふかとした優しい弾力があった。

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コメント

はじめまして。asitano_kazeです。
緑のじゅうたん、それはひそかな草花たちの楽園。
人が来ても気づかずに通り過ぎて行く。
そこにあっても目を向けなければ何も見えない。
そんな草花たちにしっかり語りかけているお姿に共感しました。
とても細やかに観察されているのですね。
草花のこと、いろいろ学ばせてください。

投稿: asitano_kaze | 2006年8月20日 (日) 22:29

asitano_kazeさん、ようこそ。
コメントありがとうございます。

こんな秘密のじゅうたんを見つけてしまった時には、思わずわくわくしてしまいました。
今後もこうした気持ちを忘れないようにしたいと思っています。

学ぶなんてとんでもないですよ。こちらこそ学ばせてくださいね。

投稿: nancy | 2006年8月21日 (月) 00:23

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