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2006年5月19日 (金)

チゴユリ(稚児百合) その3~自信

チゴユリの集団 ふと気が付けば、歩くほどにチゴユリの集団に出会うようになっていた。
「あ、ここにも、あそこにも!」と、驚くのにも慣れてきた。

それにしても、昨年は何度もこの山を歩いたのに、こんなにたくさんのチゴユリが存在していたなんて、ちっとも気が付かなかった。
どこからか種が飛んできてわ~っと増えるような草花ではないのだから、もしかしたらツユクサの類などと見誤っていたのかもしれないが。

うつむいた花 ここで、チゴユリの控えめな表情を思ってみた。
今まで出会った植物の中で「あまり主張を感じないような花」は、「虫による受精」以外にも「確実な繁殖方法」を確保しているものが多かった。
要するに、花のアピールのために過分なエネルギーを費やさなくても良いのである。

ユリ科の植物は地下に鱗茎や球根、地下根茎を発達させるものが多い。チゴユリも同様に、地下根茎による栄養繁殖を行っている。
実生繁殖も可能だが、チゴユリの株ははほとんど分枝せず、また花は一つ、多くてもせいぜい二つしか付けない。
チゴユリの花 その上、一つの花はたった6つの胚珠しか持たないのである。
これは種子植物としてはあまりにも少なすぎる数だ。

また、種からでは一人前のチゴユリになるまでに相当な時間が掛かることもあり、彼らの集団はもっぱら単一個体の増殖によって支えられているのである。

そう考えると、チゴユリのうつむいた姿は、虫に頼らずとも繁殖ができるという自信の現れなのかもしれない。

胚珠(はいしゅ)…種子植物の種子になる部分
栄養繁殖…植物体の一部が分離して新個体を形成する無性生殖の一つ。球根やイモ、むかご、挿し木など。

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