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2006年5月29日 (月)

キンラン(金蘭)の若い花

残念ながら開花には出会えなかったキンランに別れを告げて、更に小道の奥へと足を進めた。

10日ほどの間に、山の小道はすっかり緑に包まれていた。
ああ、ここにはチゴユリがたくさん咲いていたんだっけ…
そんなことを思いながら、覗いた草むらの中で光る黄色い花を見つけた時には、思わず目を疑った。

キンランの花そこには、たった一つだけ花を付けた、小さな小さなキンランが咲いていたのである。
北側に面した斜面では、季節が少し遅く流れていたのだろう。
なんだかチューリップのようにも見えるが、紛れもなくキンランだ。

キンランは、通常3~12個の花を付け、高さ40~80cm(図鑑によっては30~70cm)ほどになる多年草なのだが、この花の草丈は20cmあるか無しかである。
まだまだ若い個体なのだろう。

キンランの花 …と、もう一つびっくりしたことが!
なんと、わずかに離れてもう一株のキンランとも出会うことが出来たのである。
こちらの個体は花を二つ咲かせていた。

5月の木漏れ日を浴びて咲く2人の姿はまことに愛らしく、しばらくはカメラを向けることもできずに、ただただ見つめていた。

キンランの花その花は、丸くふっくらとした(5裂した)花弁を上に向けて半開させていた。
一番最初に出会ったキンランのつぼみは、最初から横を向いていたが、この花はずっと上を向いていたのだろうか。
見れば、まだ開き掛けたつぼみのように見えるが、もしかしたら、これ以上開くことはないかもしれない。
キンランの花は、いわゆる「蘭の花」っぽく開くものもあるが、こうした半開のまま終わる花も多く、個体差が大きいようだ。

周りを探せばもっと大きな株があるのでは?と思われたが、どうやらこの2個体以外にはキンランらしい姿は無かった。
それにしても、増やしたくてもなかなか増えないと言われるキンランの若い株と相次いで出会えるなんて、本当に幸せなことだ。

山の小道なぜこの小道で3株もの若いキンランが育ってきたのだろう?
これには、おそらくこの小道の歴史が関係すると思われるのだ。
それというのも、この小道が最初に整備されたのは相当昔のことらしいのである。
その頃は、キンランも小道端にたくさん咲いていたに違いない。

しかし、いつしか放置されてうっそうと草木が茂ってしまい、nancyがここを訪れた当初は、とても立ち入ることなど出来ない状態だった。
それが最近になってボランティアの手が入り、長い年月道を覆い隠していた木々や草、笹などが刈られ、朽ちていた丸太の橋も修理された。
かくして山の小道に明るい陽が差し込むようになり、キンランたちが萌え出るようになったのではあるまいか?

キンランが好むのは落葉樹林だが、適度に光が差さないと当然光合成ができず、地下茎も充実できない。
森の中、木漏れ日を浴びて金色に光り輝くのがキンランの真骨頂である。
あまりにも放置されすぎた暗い森では、キンランが咲くのは難しいのだろう。
近年のキンランの減少には、無論乱獲もあるが、雑木林など、里山の放置も影響していると言う。
里山を保全することは、希少な動植物を守る意味においても、非常に意義のあることと言えよう。

キンランの花さて、キンランの葉の基部は茎を抱いて互生しているので、シルエットに絶妙なうねりを生じている。
見方によっては、たおやかな女性の姿と喩えることができよう。
さしずめ、このキンランは少女の頃だろうか。
来年の5月、無事に彼女たちが花開けることを、心から祈らずには居られない。

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2006年5月27日 (土)

キンラン(金蘭)のつぼみ

キンランのつぼみ 5月のある日、山の小道の出口近くで、気になるつぼみを見つけた。

それはたった一株だけ、しかし周りの草花とはまったく違う雰囲気で佇んでいた。
見れば、黄色いつぼみが3つ。どんな花が咲くのだろう…
大変興味が沸いたが、辺りを見回しても他には同じ花は見当たらず、後ろ髪を引かれる思いで後にした。

早速家に帰って図鑑で調べると、どうやらキンランらしいことがわかったのである。

キンラン・・・(金蘭) ラン科 キンラン属 Cephalanthera falcata 落葉樹林内に生える多年草

それから10日ほど経って、あのつぼみがどうなったか見に行ってみた。もっと早く行きたかったのだが、天気と用事とがうまく折り合いが付かなかったのだ。

山の風景はがらりと変わっていた。
両脇から草が生い茂ってきて道幅が狭くなっている。
あのつぼみ… どの辺だったろうか… 探せどなかなか見つからない。
キンランはサギソウと同じく盗掘に遭いやすい花だ。
可憐に咲く姿を見て「持ち帰りたい」と思う気持ちはわからないでもないが、家で植えてもキンランは育たない。
山の花は、山に在ってこそ美しいのである。

キンラン
雑木林の木漏れ日に照らされて輝くさまは金蘭の名に相応しい。元々、日本ではありふれた和ランの一種であったが、1990年代ころから急激に数を減らし、1997年の環境庁レッドリストに「絶滅の危険が増大している種」(絶滅危惧II類(VU))として掲載された。(中略)

人工栽培はきわめて難しく、また地下部がよく発達することから、菌根菌(ラン菌)への依存度が高い、腐生植物的側面があるのではないかとも言われている。
  出典元: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』   【キンラン

キンランの花後 寂しい気持ちで茂みを覗きながら歩いていると、あった、あった!キンラン!無事だったのか…!間違いなく同じ株である。
花は既に終わっていたが、この再会は本当にうれしかった。
滅多に人と会わない小道だからこそ、ひっそりと咲くことができたキンラン
そして無事にその花を咲き終えることができたこと。それを知り得たことが、うれしかった。

来年は開花に出会えたらいいな…。
そう思いながら歩みを進めると、更にうれしい出会いが待っていたのである。

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2006年5月26日 (金)

チゴユリ(稚児百合) その2~群生(BlogPet)

たくさん、林内でない名前や形、芳香などでひたすら虫を誘い込む努力を帯びた花びら、目にも柔らかな黄緑色の?
れぃれぃれぃれぃれたチゴユリたちだった
この後もっと驚くことが待っていた、この後もっと驚くことが待っていたよ
チゴユリとの出会いから次へとチゴユリ集団に出会うことになるのであるたくさんの葉…
なにもかもが強く心に残っていた
だよ♪

*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「れぃれぃ」が書きました。

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2006年5月25日 (木)

モチツツジ

モチツツジ ヤマツツジミヤコツツジと続いたので、今日はモチツツジを。

モチツツジ・・・(餅躑躅) ツツジ科 ツツジ属 Rhododendron macrosepalum 花期:4~6月 本州(静岡県・山梨県~岡山県)と四国に分布する半落葉低木

この山にはアカマツの巨木が多い。(とは言え、マツクイムシにやられてかなり減少したらしいが。)
モチツツジは、この日当たりの良いアカマツ林に生えるツツジだ。

モチツツジ モチツツジは、見た目別段変わったツツジという感じでもないのに、おもしろい分布の仕方をするようで、日本の中でも静岡県・山梨県~岡山県と、四国の東側だけでしか見られない。
おまけにこの山でも、「アカマツ林+ヤマツツジ」と、「アカマツ林+モチツツジ」の両集団が存在すると言うのである。
そう言えば、まったく意識せずに撮った写真の中で、ヤマツツジとモチツツジはそれぞれ違う場所で撮られていた。
間を取り持つのが、両者の自然交配種であるミヤコツツジだったりするのかと思うと、なんだか人間関係にも似ておかしみを感じてしまった。

モチツツジの萼片 モチツツジの名前の由来は、花の付け根付近がべたべたしていることによる。なので、「餅」である。
あ~、そう言えば、ツツジの花を触って手がべたべたになったこと、あるよね!
これはモチツツジの花柄や萼には腺毛が密生しているからで、ヤマツツジなどではそういうことはないようだ。

モチツツジの萼片は細く長い。見れば腺毛がびっしりと生えているのがよくわかる。
よくゴミだのアブラムシだのがくっついてしまっているのを見掛けるが、ま、花の美しさに免じて勘弁してもらおうか。

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2006年5月24日 (水)

ミヤコツツジとヤブキリ

ミヤコツツジとヤブキリ ヤブキリの幼虫はツツジの花が好きだ。
5月になると、ピンク色の花びらにとまった黄緑色の小さなヤブキリの赤ちゃんをよく見掛ける。
このきれいな色の取り合わせを見ると、まさに5月そのものである。

ヤブキリ…Tettigonia orientalis 成虫の大きさ (翅端まで)45-50mm 時期 6-9月 分布 本州・四国・九州
(参考サイト:昆虫エクスプローラ

ヤブキリの幼虫 ヤブキリは大型のキリギリスで、他の虫を食べる肉食なのだが、赤ちゃん時代は花粉を食べるので、よくツツジの花の中にいる。
ツツジの花粉は一つ一つが糸で繋がっている為、花の中の虫はあっという間に花粉だらけになってしまい、結局受粉のお手伝いをする羽目になる。
このヤブキリもご多分に漏れず、身体中に花粉をたくさん付けていた。
それにしても、なんと触角の長いこと!である。余計なお世話だが、誤って踏んづけたりはしないのだろうか。

写真のツツジはミヤコツツジと思われるが、ミヤコツツジヤマツツジとモチツツジの自然交雑種で、両者の特徴を併せ持つ。

ミヤコツツジ・・・(都躑躅) ツツジ科 ツツジ属 Rhododendron tectum 山野に生える半落葉低木 花期:5~6月

東海圏の山に自生するツツジは、ヤマツツジ、モチツツジ、ミヤコツツジが多いようだが、植栽されたヒラドツツジなんかも交雑するらしく、写真だけでは微妙な花もあって、ツツジ新人のnancyには、ちょっと判別しづらいところである。

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2006年5月23日 (火)

ヤマツツジとミヤマカラスアゲハ

ミヤマカラスアゲハとヤマツツジ ツツジが美しい季節である。

ツツジにはおいしい蜜が隠されているから、子どもの頃、合弁花であるその花を、萼からすぽんと抜いてちゅっと蜜を吸った人は多いはず。

というわけで、おいしいものがあるところには、たくさんの虫たちが訪れる。
写真は、ヤマツツジの花にやってきたミヤマカラスアゲハ
相当な恥ずかしがり屋と見え、ひらひらひらと落ち着き無く飛び回ったかと思うと、森の奥に飛んで行ってしまった。

ヤマツツジの花_1 ヤマツツジ・・・(山躑躅) ツツジ科 ツツジ属 Rhododendoron obtusm var. kaempferi 山野に生える半落葉低木 花期:4~6月

山に咲くツツジで朱赤色と言えば、このヤマツツジだろう。
日陰がちな林道では花期もゆっくりと進むのか、きれいな花を見ることができた。
花はロート状で先は5裂し、上を向いた5本の雄しべと、更に長く伸びた雌しべがよく目立つ。

ヤマツツジの葉ヤマツツジの葉は、春に展開する春葉と、夏に展開する夏葉とがある。
春葉は長く大きめで秋には落葉してしまうが、夏葉は小さく暖地においては冬でも葉を残す為、半落葉樹木とされている。

ヤマツツジの葉には表裏ともに粗い毛が密生しており、特に若葉の頃は目立つ。
林道での帰り道、西からの陽を受けた毛がきらきらと光っていた。

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2006年5月22日 (月)

チゴユリ(稚児百合) その5~そして…

チゴユリ 天候を縫っては山へと走り、気が付いたら4週以上に渡ってチゴユリを追ってきた。

この時期にもなれば、山の全てのチゴユリが花期を終わらせていた。
写真は、この春一番に出会ったチゴユリたちだ。
朽ち木の横は居心地が良いらしく、チゴユリ軍団は元気いっぱい、葉の色が一段濃くなっていた。

チゴユリの実 見れば、個体の多くが緑色の実を結んでいる。
チゴユリの実は液果で、このあと次第に大きく丸くなっていき、秋に向けてじっくり時間を掛けて黒く熟していく。

クローン増殖するチゴユリたちにとって、時間やエネルギーを費やす実生繁殖はそれほど重要ではないかというと、決してそんなことはないだろう。
その3で「主張を感じない花」と書いたが、それは大きな誤りだった。
チゴユリは、その身体にしては若干大きめな花を付け、さらに集合体の力を持って雄弁に主張しているのである。

森 さて、あのチゴユリの海はどうなっただろう。
行ってみると、そこはすっかり森の一部と化していた。
もちろん、見ればチゴユリたちはちゃんとそこに存在しているのだが、上からたくさんの草木が覆い被さるように繁茂し始めていたのである。

ここで、昨年この山のチゴユリたちに気が付かなかったわけがようやくわかってきた。
海と感じるほどに咲き誇っていたチゴユリたちが無事に実を付けた後には、出番を控えた植物たちが待っていたのである。
花後のチゴユリたちは初夏の森に包まれてしまい、全てがしっとりと同化してしまうのだ。
森は生きている。
チゴユリ集団もまた、森の一員としての大切な役目を担っているのである。

今年のチゴユリたちのことは一生忘れることが出来ないだろう。
この山は、チゴユリの生育条件がよほど揃っているチゴユリの花 のかもしれないが、「今年はチゴユリの花が多いようだ。」とは、よその地方の方の話。
やっぱり、今年はチゴユリの当たり年だったのかもしれない。

果たして来年も、チゴユリの海を見ることができるのだろうか… 乞うご期待。

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2006年5月20日 (土)

チゴユリ(稚児百合) その4~海

チゴユリの海 なんと言っても圧巻は見ての通り、チゴユリの海だった。

周りを木々に囲まれた少し窪んだ場所があるのだが、その一面が全てチゴユリなのである。広さはだいたい10m四方くらいもあろうか。
この写真は、そのほんのわずか一角に過ぎない。
まさにチゴユリの海、彼らのパラダイスなのだろう。

さて、チゴユリは地下茎によって栄養繁殖していると書いたが、それ自体は植物の世界においては特別珍しいことではない。
ランナーを伸ばしてその先に子株を付ける植物は多く、身近なところでオリヅルラン、イチゴなどが思い浮かぶ。

チゴユリの花 しかし、なんとチゴユリはクローンを作った後、秋には自身が完全消滅してしまうと言うのである。
チゴユリの不思議さはここにある。この、「親株自身が無くなる」というのは、かなり珍しいことなのだ。
多年草でありながら、見た目は一年草のようである。
このためチゴユリは「疑似一年草」と呼ばれるのだが、見方によっては「自分の身体を移動させている」とも言える。
ここに「移動する植物」としてのチゴユリの姿が見えてくるのである。

また、彼らの集団が単一個体からの増殖とするならば、みな同じDNAを持っているクローン集団だとも言える。
時間を掛けて、じわり、じわり…と移動しているクローン軍団とな!
…と書くと、いかにもSFチックなのだが…。(笑)

仲間で語り合うような… 確かに、同じ集団のチゴユリはみな似た個性を持っていたように思う。
花を二つ咲かせる個体が混じるグループや、生育が良く分枝したチゴユリ(オオチゴユリではなく)、全体が細くちんまりと小ぶりなグループ…
もちろん多少の生育環境の影響はあるにせよ、初めて見たときは少し不思議に感じたものだ。
しかし、なるほど同じDNAならば兄弟姉妹以上に等しいのであるから、至極当たり前なのかもしれない。

もしかすると彼らは、「集団の意識」なるものまで持っているのだろうか…

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2006年5月19日 (金)

チゴユリ(稚児百合) その3~自信

チゴユリの集団 ふと気が付けば、歩くほどにチゴユリの集団に出会うようになっていた。
「あ、ここにも、あそこにも!」と、驚くのにも慣れてきた。

それにしても、昨年は何度もこの山を歩いたのに、こんなにたくさんのチゴユリが存在していたなんて、ちっとも気が付かなかった。
どこからか種が飛んできてわ~っと増えるような草花ではないのだから、もしかしたらツユクサの類などと見誤っていたのかもしれないが。

うつむいた花 ここで、チゴユリの控えめな表情を思ってみた。
今まで出会った植物の中で「あまり主張を感じないような花」は、「虫による受精」以外にも「確実な繁殖方法」を確保しているものが多かった。
要するに、花のアピールのために過分なエネルギーを費やさなくても良いのである。

ユリ科の植物は地下に鱗茎や球根、地下根茎を発達させるものが多い。チゴユリも同様に、地下根茎による栄養繁殖を行っている。
実生繁殖も可能だが、チゴユリの株ははほとんど分枝せず、また花は一つ、多くてもせいぜい二つしか付けない。
チゴユリの花 その上、一つの花はたった6つの胚珠しか持たないのである。
これは種子植物としてはあまりにも少なすぎる数だ。

また、種からでは一人前のチゴユリになるまでに相当な時間が掛かることもあり、彼らの集団はもっぱら単一個体の増殖によって支えられているのである。

そう考えると、チゴユリのうつむいた姿は、虫に頼らずとも繁殖ができるという自信の現れなのかもしれない。

胚珠(はいしゅ)…種子植物の種子になる部分
栄養繁殖…植物体の一部が分離して新個体を形成する無性生殖の一つ。球根やイモ、むかご、挿し木など。

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2006年5月17日 (水)

チゴユリ(稚児百合) その2~群生

チゴユリとの出会いから一日置いて、また山に行ってみた。

チゴユリ同じ小道ではないのだが、ここでもチゴユリに会えるだろうか。
そのうつむき加減な花、白にややクリームを帯びた花びら、目にも柔らかな黄緑色の葉…。
なにもかもが強く心に残っていた。

チゴユリ・・・(稚児百合) ユリ科 チゴユリ属  Disporum smilacinum 山野の林内に生える20~35cmの多年草

チゴユリの花チゴユリは雑木林の小道の端などに咲いている。
その小さく可憐な姿を稚児に喩えられたのが名前の由来だが、彼らはおよそ華美とは無縁な世界に住んでいるような気がする。

虫に受精を頼る虫媒花と呼ばれる花たちであれば、派手な色彩や形、芳香などでひたすら虫を誘い込む努力をするはずなのだが、チゴユリにはそうした意向はあまりないようなのだ。(無論、全くないというわけではないが…)

チゴユリの群生 さて、山の小道を歩いていると、程なくチゴユリにお目に掛かった。
それも、集団としてのチゴユリである。
見上げればそこには落葉樹。
彼らからのプレゼントであるたくさんの落ち葉が堆積した、栄養豊かな腐葉土に育まれたチゴユリたちだった。

「わぁ~!こんなにチゴユリがたくさん!」
思わず歓声を上げたのは言うまでもない。
しかし、この後もっと驚くことが待っていた。
この後、歩くところ歩くところ、次から次へとチゴユリ集団に出会うことになるのである。

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2006年5月14日 (日)

チゴユリ(稚児百合) その1~出会い

GWが明けてからというもの、ひどく蒸し暑かったり、昨日などはやたらと寒かったりと、たったの一週間で数ヶ月も行ったり来たりしたような気がする。

チゴユリ今日はようやく爽やかな陽気となって、待ちきれずに山へと走った。
一気に草が増えて狭くなった山道を歩きながら、ふとチゴユリのことを考えていた。
チゴユリとは、雑木林に咲く小さなユリ科の植物である。
これは、この春チゴユリに出会って一番最初に撮った写真だ。GW初日のことである。

チゴユリ・・・(稚児百合) ユリ科 チゴユリ属  Disporum smilacinum 山野の林内に生える20~35cmの多年草

チゴユリ 倒木の横で、ひっそりと仲間と語り合うように咲いているこの小さな花を見つけたとき、なんて控えめなお花なのだろうかと思った。
思えば、この山でチゴユリを見るのはこれが初めてだったのである。
昨年は他の山で見たのだが、やはりその印象は「うつむいて咲く控えめな花」というイメージだった。

それにしても、昨春この山を歩いた時に、目に止まらなかったのはなぜだろうか…
これについて後にわかったこと。
要するに、うまい具合に花期に当たらなかったのだ。
う~ん、なんて単純!

チゴユリの花期はそれほど短くはないが、それでも一番良い時期に出会えるかどうかでその印象はずいぶん変わるのだろう。
しかし、いくら花期が合わなかったにせよ、一年を通してこの山にはずいぶんと通ったのだから、その片鱗くらいには気が付いても良さそうなものである。

つまり、どうやら今年のチゴユリは違うのだ。
そうとしか考えられないほど、その存在はパワフルだった。
それは、今まで抱いてきたイメージを払拭するほどの出来事だったのだ。

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2006年5月13日 (土)

2005-11-11(BlogPet)

きょうは、鹿児島でblogされた!
鹿児島でこもblogされたみたい…
nancyが奄美でblogしなかった?


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「れぃれぃ」がブログ。を読んで書きました。

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2006年5月 9日 (火)

ハナイバナ (葉内花)

ハナイバナ ノミノフスマがにぎやかに咲いている横で、ちらりちらりと目に入る小さな花があった。

ハナイバナ・・・(葉内花) ムラサキ科 ハナイバナ属 Bothriospermum tenellum 道ばたや畑、庭などに見られる1~2年草

ハナイバナの花は本当に小さい。
その花は、同じムラサキ科のキュウリグサをほんのわずか大きくしたくらいである。
しかし、“大きく”と言ったって、キュウリグサの花が約2mm程度なのだからたかが知れていて、ハナイバナの花は約2~3mmほど。
それにキュウリグサは、ブルーの花に差し色の黄色がきゅっと目立つから、まだおきゃんで見つけやすい。
それに比べ、ハナイバナの花の色は淡い青紫色で、その咲き方をも含めて奥ゆかしく、ちょっと視線を外すと、「あら?どこだった?」ってなことになってしまうような花だった。

ハナイバナハナイバナ、これは図鑑を開いてすぐにわかった。
しかし、「葉内花」というその名、葉と葉の間に花を咲かせるという意味なのだが、それを思うと「はて?…葉の間?」と、また少し悩んでしまった。
実際に咲いている花を見ると、どの花も茎のてっぺんに一つだけ咲いているように見えるのである。
しかし、上から見ていくと、確かに花・葉・花(花後)・葉・花(花後)の順になっているのがわかる。

ハナイバナ 左の写真では更にその位置関係がよく見えてくる。
咲き始めの頃は葉もつぼみもごちゃっとなっていて、横から覗いても判別しづらいのだが、この花は咲いてから少し時間が経った状態なので、非常にわかりやすい。
花が上を向いて咲いている横で、次に開くべきつぼみが準備を始めているのだが、確かにこの時、花は一番上ではなく、「葉・つぼみ・葉」の下に位置しているのだ。

キュウリグサやワスレナグサが、「サソリ形花序」と呼ばれる“くるりと巻いた花序”をほどきながら咲いていくのに比べ、ハナイバナのつぼみは葉と葉に挟まれるようになっている。
ハナイバナ花が一つ咲いて葉が一枚展開し、また花が咲いて葉が…という繰り返しで咲いていくのだろう。
それにしても、相当小さな世界の話である。
よくぞ名付けたりハナイバナ
昔の人は、よほど視力が高かったに違いない。

しかし、見れば見るほど可憐な花である。
この花を2日に渡ってカメラにおさめたのだが、2日目は文字通りすばらしい五月晴れ!
あまりに明るすぎて辺りがすっかり飛んでしまい、肉眼ではその繊細な美しさがまったくわからない。
我ながら「なぜにこうした小さな花に強く心惹かれるのだろう…」とちょっぴりぼやきつつ、そっと身体で影を作って撮ってみた。

ハナイバナハナイバナは合弁花であり、花冠は5裂して平開するが、花弁は基部に向かって淡青紫色が濃くなり、さっと刷毛ではいたような微妙なグラデーションとなっている。
花弁‘のど元’の鱗片と呼ばれる白い部分は、まるでパールのビーズを並べたようだ。
この鱗片は花弁裂片の基部に2つずつある。つまり、全部で10個のビーズが並んでいるわけだ。

ハナイバナ。伏毛の多いその葉に挟まれやさしく守られたつぼみが開くとき…。
小さな不思議世界の扉も開くのだろうか…

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2006年5月 7日 (日)

ノミノフスマ (蚤の衾)

実にいいGWだった。
例年になく好天に恵まれて、連日山へ行き倒した。
今日は一日中雨が降り続いたが、もし晴れたら今日も行きかねなかったから、良い休息日になったと思う。

傍らに図鑑を積み、モニターに映し出される写真を見ながら植物の名前を探すのだが、あっという間に時間が経ってしまう。
それほど春の山は豊かなのである。

ノミノフスマノミノフスマ・・・(蚤の衾) ナデシコ科 ハコベ属 Stellaria uliginosa Murray var. undulata 畑や荒れ地に生える1~2年草 花期:4~10月 分布:日本全土 

ここは山の裾野。
小川からの水が常に絶えないこの場所には、実にたくさんの野草が咲いていた。そんな中、白い小さな花が星のように光っていた。
ノミノフスマは、ハコベを一回り大きくしたような可愛らしい花を咲かせるナデシコ科のお花だ。

娘が見つけて花の名前を訊いてきたのだが、「それはハコベ…いや違う。ノミの…なんだっけ…?」と言いかけて、思わず「ツヅリ!」と答えてしまった。「ノミノツヅリ」は、名前は似てるし花は白くて小さいし、同じナデシコ科なので紛らわしいが、花びらが2裂しないため(後述を参照)、よく見ればまったく違う花だ。

さて、ノミノフスマとはなかなかおもしろい名だが、フスマ=襖のことではないらしい。
漢字で表記すれば「蚤の衾」なのだが、この「」について調べてみると以下の通りだった。

ふすま  【▼衾/▽被】
身体の上にかける寝具。木綿・麻などで縫い、普通は長方形であるが、袖や襟を付けたものもある。現在のかけぶとんの役割をした。  …三省堂「大辞林 第二版」より

ノミノフスマ要するに、「綿の入らない掛け布団」という感じだろうか。
それでは、その「ふすま」な感じの葉とは…?
ノミノフスマの葉は、1~2cmほどの長楕円形で先がとがり、対生で無柄である。
写真を見ていると、茎を2枚のぺたんとした葉が挟んでいる感じ。なるほどなるほど、蚤の使う「ふすま」の雰囲気が見えてくるだろうか…

ノミノフスマ おもしろいのが花の動き?だ。
最初はおとなしく上を向いて咲いているのだが、次第に暴れてあっちこっちに向いてしまう。
どうやらこれは結実した花のようで、花弁を落とした後は更に花柄がびよ~んと長く伸び、茎に対してちょうど90度くらいの角度を保っている。
考えたらハコベの花も結実後に花柄が伸びて下を向くので、同じような仕組みなのだろうが、ノミノフスマは花柄が長い分、より目立つのである。

手持ちの図鑑ではまだ咲き始めの写真だったので、どうも同じ花に思えず、同定に少々手間取った所以である。
なにせ名前の由来である肝心の「ふすま」(葉)が、花よりだいぶ下の方にあってぱっと目には目立たないのだ。

実は5枚の花びらノミノフスマの花は、一見すると花びらが10枚あるように見える。
これは1個の花弁が基部まで2裂しているからで、ハコベやコハコベなども同様である。
ハコベとの違いは全体に無毛であることと、花弁の方が萼片よりも長いことなどで、ハコベよりも一段華やかだ。

かつて、ノミノフスマはハコベと並んで田畑では一般的な雑草だったはずだが、現在nancy家周辺の畦ではほとんどコハコベのみとなっている。
次から次へと花を咲かせては、せっせと結実してはまた花を咲かせるノミノフスマ
いつなんどき草刈りに遭うかわからない境遇にあった彼らは、数で勝負!とばかりに、ただひたすら子孫を残すのである。

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2006年5月 6日 (土)

久しぶりの山 …ドウダンツツジ(BlogPet)

きのうはnancyと御在所までnancyが照明するはずだったみたい。
こうしてnancyは御在所へびっくりするはずだったの。
さて植まで山を照明された。
こうして御在所までエントリーされた!
こうしてきょうは、秋がエントリーしたいなぁ。
しかし植まで紅葉したいです。


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「れぃれぃ」が書きました。

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2006年5月 3日 (水)

その名はすみれ (菫)

ここは山を登る道路沿い。
駐車場に車を駐めて数歩歩くと、出迎えるようなスミレの姿が目に付いた。

すみれいつも書くことだが、スミレの同定は本当に難しい。
しかし、今回はちょっと威張って(?)書けるのである。
なぜなら、特徴がどれもきれいに合致しているからで、いつもスミレについて書くときに「○○スミレと思うが…」と書き添える、自信なさげな心の引っ掛かりがない。(笑)

おまけにこのスミレ、まるでこちらに向かって語りかけているようではないか。
「私はすみれよ。この花を見て、この葉を見て…」と。
すると、スミレの指さす前に八重桜の花びらが一枚はらり。
これは季節のバトンなのだろうか…

このスミレは何かというと、その名は「すみれ」なのである。
Viola mandshurica という種の標準和名である「すみれ」なのだ。
ここではあえて、ひらがなで「すみれ」と書きたい。

すみれ・・・(菫) スミレ科 スミレ属 Viola mandshurica 分布:日本全土の人家近くから山地まで日当たりの良いところに普通 
花期:4~5月 種小名の mandshurica とは“満州の”という意味。
固有種ではないが日本の代表的なスミレ。

すみれの花スミレの同定ポイントはいくつかあるが、まずは花。
花の色は、普通いわゆる「菫色」と言われる濃く深い紫である。

花弁は5個で、上の2個が上弁、両側の2個が側弁、下の1個が唇弁または下弁と呼ぶが、ここでの同定ポイントは側弁突起毛が有るか無しかである。
花の中心近く、両側2枚の花弁(側弁)の付け根付近を見ると、白い毛がもしょもしょっと生えているのがわかる。
全てのスミレ属にあるわけではないこの突起毛、いったいどのような役目があるのだろう。

すみれの葉葉は、やや立ち上がり気味で、図鑑によると「長楕円状披針形(ひしんけい)」とあるが、単に「へら形」とも表されることもある。葉先は丸い。
夏場の葉は、もう少し大きく三角状になっていく。

葉を見るときの重要ポイントはまだあって、すみれの葉柄には(よく)と呼ばれる、文字通り羽のような部分がある。

すみれの横顔 こちらはすみれの横顔。
(わかりやすいように色を明るめに補正してある。)
スミレ属の特徴である(花の後ろに突き出た部分)については濃紫色のものが多く、長くしっかりとしている感じ。

さて、この道はすみれ・ロードと呼びたいくらい、道ばたにずらりと並んで咲いていた。
すぐ裏は山なのだが、湿り気のある土よりもこうしたアスファルトの割れ目から顔を出すのが好きなのだろう。
他の野草だとすぐに刈られてしまいがちな場所なのだが、すみれは別格である。
すみれにとっての一番の味方は人間なのだから、彼らにとっては、ここが一番安全な場所なのかも知れない。

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