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2006年5月 3日 (水)

その名はすみれ (菫)

ここは山を登る道路沿い。
駐車場に車を駐めて数歩歩くと、出迎えるようなスミレの姿が目に付いた。

すみれいつも書くことだが、スミレの同定は本当に難しい。
しかし、今回はちょっと威張って(?)書けるのである。
なぜなら、特徴がどれもきれいに合致しているからで、いつもスミレについて書くときに「○○スミレと思うが…」と書き添える、自信なさげな心の引っ掛かりがない。(笑)

おまけにこのスミレ、まるでこちらに向かって語りかけているようではないか。
「私はすみれよ。この花を見て、この葉を見て…」と。
すると、スミレの指さす前に八重桜の花びらが一枚はらり。
これは季節のバトンなのだろうか…

このスミレは何かというと、その名は「すみれ」なのである。
Viola mandshurica という種の標準和名である「すみれ」なのだ。
ここではあえて、ひらがなで「すみれ」と書きたい。

すみれ・・・(菫) スミレ科 スミレ属 Viola mandshurica 分布:日本全土の人家近くから山地まで日当たりの良いところに普通 
花期:4~5月 種小名の mandshurica とは“満州の”という意味。
固有種ではないが日本の代表的なスミレ。

すみれの花スミレの同定ポイントはいくつかあるが、まずは花。
花の色は、普通いわゆる「菫色」と言われる濃く深い紫である。

花弁は5個で、上の2個が上弁、両側の2個が側弁、下の1個が唇弁または下弁と呼ぶが、ここでの同定ポイントは側弁突起毛が有るか無しかである。
花の中心近く、両側2枚の花弁(側弁)の付け根付近を見ると、白い毛がもしょもしょっと生えているのがわかる。
全てのスミレ属にあるわけではないこの突起毛、いったいどのような役目があるのだろう。

すみれの葉葉は、やや立ち上がり気味で、図鑑によると「長楕円状披針形(ひしんけい)」とあるが、単に「へら形」とも表されることもある。葉先は丸い。
夏場の葉は、もう少し大きく三角状になっていく。

葉を見るときの重要ポイントはまだあって、すみれの葉柄には(よく)と呼ばれる、文字通り羽のような部分がある。

すみれの横顔 こちらはすみれの横顔。
(わかりやすいように色を明るめに補正してある。)
スミレ属の特徴である(花の後ろに突き出た部分)については濃紫色のものが多く、長くしっかりとしている感じ。

さて、この道はすみれ・ロードと呼びたいくらい、道ばたにずらりと並んで咲いていた。
すぐ裏は山なのだが、湿り気のある土よりもこうしたアスファルトの割れ目から顔を出すのが好きなのだろう。
他の野草だとすぐに刈られてしまいがちな場所なのだが、すみれは別格である。
すみれにとっての一番の味方は人間なのだから、彼らにとっては、ここが一番安全な場所なのかも知れない。

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