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2005年10月18日 (火)

ヤブマメ (藪豆)

yabumame01また、ちょっと気になるお花が咲いていた。
決して派手ではないけれど、ふと振り返りたくなる花。

ヤブマメもそんな花だ。
自分を主張することなく、顔を伏せて下向きに咲いているので、見かけても「なにやら白いものがちらちらと見える…」程度にしか感じない。

ヤブマメ・・・(藪豆) マメ科 ヤブマメ属 Amphicarpaea edgeworthii var japonica 花期:9月~10月

ヤブマメは、林の縁などに多いつる性の一年草だ。
先週も写真を撮ったけれど、暑さのせいかどこか元気がなかった。
しかし、今日になってようやく湿気が空まで抜けたので、一気に秋の花が輝いてきたように思う。

この写真のヤブマメは、山まで走る単線の線路沿いのフェンスに絡みついていたもので、毎日何本もの電車を見送りながら、ひっそりと秋を伝えているのである。

さて、これらの写真は下からすくい上げるようにして撮影している。
なぜヤブマメの花はこのように遠慮がちなのかと考えてみたが、ヤブマメは、地中にも閉鎖花(閉じた花)を持ち、なんとこちらは単為生殖(受粉しなくても結実できる)ができるので、我が身が枯れ果てた後も、100%己が遺伝子を同じ場所に残すことが可能なのである。
というわけで、地上の花はさほど主張しなくても良いのかもしれない。

yabumame02 地上で咲く青紫色の花、これもよく見ると閉鎖花が混じっており、つまりは全部で3種類もの性質の違う花によって、確実に次代に子孫を残す作戦なのである。
マメ科らしい蝶形花のみが、受粉して結実する。そして、完熟した後豆がはじけて数メートルも飛び出し、新天地に向かうというわけだ。

それまで遠慮がちに見えていたヤブマメであったが、これは相当な戦略に裏付けされた自信があってのことなのだ。

う~ん、これぞ真の強さではなかろうか…
細っこく下を向いたヤブマメの花に、幾世代をも自然を生き抜いてきたたくましさが窺えた。

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コメント

今、ヤブマメの花、よく目立ちますね。
ちょっと前は、咲いていても
あまり目立たなかったですけれど。

わたしも数日前、ヤブマメの記事を書いたのですが、
記事にするのちょっと苦労しました。
難しかったなぁ~。
言いたいたいことは、3タイプの花をつける
ということだけだったんですけどね。

nancyさんはいつもその植物の特徴をうまくとらえて、
上手に紹介されていますね。
見習いたいと思っています。

投稿: hanaboro | 2005年10月19日 (水) 11:06

hanaboroさん、こんにちは。
こちらこそ、いつも参考にさせて頂いてます!
ヤブマメを記事にするのに苦労したって言うの、よくわかります!(笑)
昨夜は大幅に時間オーバーしてしまいましたもの。(^^;)
エントリ午後11時台なんていうの、大嘘ですわ。
「これが言いたいんだけど…」っていうの、ありますよね。
なかなか言葉にならないって言うもどかしさですね。(^^;)

投稿: nancy | 2005年10月19日 (水) 12:29

褄取草の名付けの由来、ありがとうございました。
nancyさんに褄取をしていただいた時点で、わたしの知識は安定し、確定するのでございます。

本来は、急激な環境の変化で種を絶やすことのないよう 他の遺伝子を取り入れる。植物に限らず 遺伝子レベルであらゆる可能性を模索している。【冷害に弱い×冷害に弱い】の交配は冷害に非常に強い品種が生まれる。(花が主張するとはそういうことだったのですね!)
それをおこなっていながらも、100%己が遺伝子を同じ場所に残す藪豆・・・その戦略はかなりただ者ではないですよね。
そしてnancyさんを振り返らせた藪豆の作戦は そればかりではなさそうですよ!!

わたしはこの記事を読んで、母熊が自分の子供のうちオスだけ手元に残す。という話を思い出しました。
次の年にオスの固体と出会う可能性がないかもしれないから・・・というのです。
もしかしたら藪豆の苦渋の策なのかもしれないと思ったのです。

nancyさんが藪豆に心ひかれた経緯、わたしの心の井戸にストーンと落ちてきました。
夜、鶴が密かに自分の羽で機を織るようにnancyさんの植物への探求は続いています。
わたしのつまらない感想がnancyさんの執筆活動の足手まといとならないことを祈って、線路沿いの藪豆のように応援しています。 


投稿: 帆織 | 2005年10月20日 (木) 11:07

帆織さん、いつもありがとうございます。
花が美しく咲くのは、決して人間を喜ばせるわけではなく、
厳しい自然の中、種の保存のために選んできた道だと
いうことを、花たちから教えて貰いました。

熊の話、なるほどですね~!
そのままだと血が濃くなってしまってまずいけれど、
たったの1代ならば、近親繁殖も辞さないということですね。

私は、まだまだ門扉を開きかけたばかりの初学者です。
でも、図鑑とはちょっと違う“何か”をお伝えすることができたら、
そして、読まれた方が何かの花に触れたとき、
「ああ、この花は知っている…」と、なんとなく思い出してくれたら
うれしいな、そんな風に思っています。

投稿: nancy | 2005年10月20日 (木) 11:35

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