山のセンニンソウ
2005.8.17に、近所のセンニンソウの話を書いたが、山でもたくさんのセンニンソウに出会った。
平地では、たった一輪の花にしか出会えなかったが、山のセンニンソウは、それはもう花盛り。
群生の見事さはまた格別で、花の風情も、ぐっと違って感じられた。
センニンソウは、大変華やかに人を誘い、それでいてどこか近寄りがたく、凛とした花だと思う。それは、葉や茎にかぶれを起こす有毒成分を持っていることを知っているから余計に感じることかもしれないが、その花の独特な造りがどこか「普通の花ではない」という空気を醸し出している。
前回はよく見れなかったその花をよく見てみると、花びらのような4個の萼片が十字に広がり、長いたくさんの雄しべが目に止まる。花が終わると花柱が3cmほども伸び、仙人草と呼ばれる所以となった、独特の実を結ぶのである。
さて、センニンソウは漢方薬にもなるのだが、概して外用薬として使う。それも、汁を塗ってわざとかぶれさせて患部の毒を出すという療法が主だったものらしく、これはうかつに手を出さぬ方が良いだろう。
仙人は高嶺に住まうもの。
センニンソウも、触れずに愛でて楽しむのがお作法と言える。
山では意外なほどカジュアルに顔を見せてくれたセンニンソウだったが、また実のなる頃に再会を祈って、山の小道を急いだ。
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