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2005年1月27日 (木)

「顔無し」現る!

ある日のこと、娘と友人のAくんBくんの計3人を、プリちゃんの後部座席に乗せて走っていると、突然Aくんが叫んだ。
なんだあれ?!
こちらは運転しているので、まさか振り返ることも出来ないが、Bくんもさけぶ。「人だ!」「走ってたぞ!
・・・人が走るのは一つもめずらしいことではないだろう。何を騒いでいるのだ?それにしてもボーイソプラノは車内に良く響く。
「今のは…いったいなんだ?顔がなかったぞ!」それまで無反応だった娘も急に目覚めて、「えっ!顔無し!?」
俄然車内は色めき立つ。
それって、「千と千尋」の世界でしょ?いったい君らは何を見たの?

「道路標識よりも背が高い。」「すごいスピードだった!」「顔がないんだ!」「服がぱたぱた揺れていた!」
小間切れのデータが加算されていく。よくもまぁ、一瞬の間に、これほどの情報を捉えることができたものである。
それからの間、二人の男の子は、「○時○分にどんな電車が走っているか」という重要な議題には、もはや戻ることが出来ず、車窓から見たその一瞬の姿を、夢中で探っていた。ひょっとすると、既に思考の全てを見知らぬ妖怪に乗っ取られてしまっていたのかしれぬ。顔無し

「顔無し」の目撃情報を整理すると、こんな具合である。
・顔が無い。
・長身である。(およそ2m50cmくらい。)
・白い服を着ている。服がぱたぱたとはためいていた。
・坂の上からすごいスピードで駆け下りてきた。
・その後、消えていなくなった。
娘は残念ながら右側に乗っていたので見ていないのだが、二人の話をまとめて絵に描いてくれた。

「絶対に人間だよ。泥棒かなぁ。さっと居なくなったぞ。」「泥棒なら目立たない服を着ているはずだよ。」「どのくらいの速さだった?」「時速50kmくらい。」「それ、速すぎないか?」「じゃ、30kmくらい。」それって、落ちすぎ~!(笑)
子どもたちの会話を聞きながら、(非常に風が強い日だったので、「かかし」の衣装が揺れたのを見たんじゃないの?)などと思いながらも、心のどこかで"何かわくわくしたもの"が飛び出すのを待っていた。

子どもの頃は妖怪の一匹や二匹は近所に住んでいたし、家の中にもへんてこな物が住んでいた。カーテンの模様がおばけに見えたり、壁のしみが動いたような気がした。誰もいないのに、家がぎしっと音を立てると、透明人間がそこにいるのだと思って話しかけてみたりもした。
しかし、いつしかそういう不思議なものがまわりから消えてなくなり、気が付いたら、壁のしみはただの汚れにすぎなかった。
持っていた「力」を失ったようで、「…なんだかつまらないな…。」・・・と、思わずつぶやいてしまった。

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